あらすじ
ゆるやかな下降路線に入って久しい、平成の日本。格差も広がり、ついついうつむきがちになるけれど、そんなに悲観しなくても大丈夫。下り坂をマイペースに歩いてゆけば、いつかきっと、自分だけのオアシスが見つかるはず――。世の中を広く見つめ、仕事や恋愛、結婚、趣味などさまざまなトピックから、成熟の時代の生き方を真摯に軽やかに提案する。「R25」連載の好評エッセイ第3弾。
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Posted by ブクログ
リクルート社発行のフリーマガジン「R25」にて連載されていた直木賞作家、石田衣良さんのエッセイ『空は、今日も、青いか』の単行本化第3作目になります。2008~2010年当時の世相が分かって面白いです。
この本はフリーマガジン「R25」に連載されていたエッセイ「空は、今日も、青いか」を単行本化したもので、これで三冊目になるのだそうですね。
僕は前の2作もすべて読んでいるのですが、いつものことでこの本から紹介させていただくことをお許しください。今は「R25」をリアルタイムで読むことができないのですが、東京に暮らしていたときは「R25」の発売日になると毎週、コンビニに行ってもらってきては熱心に読んでいたことを思い出しました。
ここに収録されているのは2008年の2月~2010年の7月に書かれたものを加筆・修正したもので、政治・経済はもちろんのこと、恋愛やコンカツ。中にはオーディオに関するエッセイもあって、改めて石田衣良さんの作家としての幅の広さを再確認させるような本でございました。
しかも、一見硬くなりそうなテーマをあくまでさらりと読ませるところに持ち味があるような気がするのは、きっと僕だけではないと思います。
その中でも僕が特に「おっ」と感じた箇所は『市場は悪か?』というタイトルのエッセイで
『世界のマネーゲームに日本の実体経済にまで影響を受けるとは、断じて許しがたい。こつこつと働いて、モノづくりをする。労働こそ尊いのだ。市場はギャンブルで、市場は悪だ。』
という世の中の風潮に
『半分には同意できるが、半分は反対だ』
と独自の論旨を展開して行く様子はかつて、自身で投資家として株を運用して生活をし、『波のうえの魔術師』(文春文庫)というマーケットを題材にした小説を書いた筆者ならではの見方だな、と感じました。
僕も、かつて20代の最初のほうを市場の世界に身をおいていたので、そういうところは皮膚感覚でわかるし、何でもかんでも市場は悪だ、という考えには首をひねらざるを得ないです。
これを読んでいると、またR25を手にとって読んでみたくなりますが、なにぶん都市圏しかおいていないので、そこまで僕が足を運ばなくてはならんのかと、少し気が重くなります。
※追記
「R25」ならびに「L25」は紙での発行を取りやめ、電子版に完全移行しました。少し寂しいです…。本書は2014年1月17日、集英社より『坂の下の湖 (集英社文庫)』として文庫化されました。
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石田衣良のエッセイ集。同じ世代なので、いつも痛感する事が同じ事が良くある。若い世代の人が出会いが無いと言っているのに対し、自分も石田衣良と同じ事を思っていて、若者に伝えている。何事もチャレンジや努力をしなければ幸運は掴めない。待っているだけではだめなのだよ。
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普段はエッセイは読まないけれど、大好きな作家、石田衣良さんのものということで手に取りました。
連載当時から日が経っており古い部分はあるものの、納得させられることのが多くて、何度も何度も読み返してしまいました。
今後も大切にしていきたい一冊です。
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『受け入れらぬほどのワクチンウイルス』
正しいことをしていても、何も変わらないから。ウイルスをぶち込んで壊して治す。そんな印章。だれかに嫌われる事を厭わない。むしろ望んで的になる姿勢。本当に怖い人は死ぬ覚悟のある人だ。怖いと思った。
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石田衣良さんのエッセイ。2023年の今、
同じように日本も企業も状況は、変わらない。個を大事にそのような外的要因と自分自身の幸せは、切り離して俯瞰して物ごとを捉え楽しむ。外的要因に一喜一憂していた毎日で気持ちが救われました。