あらすじ
ニューオリンズで産声をあげたジャズは、めまぐるしくスタイルを変え、幾度もの黄金時代を経て、いかなる歴史を歩んだのか。そして、ルイ・アームストロング、チャーリー・パーカー、マイルス・デヴィスといった巨人たちの、挫折と栄光に彩られた人生の物語とは――。ジャズ評論に生涯をささげ、その草分けとして時代の熱情を見つめてきた第一人者が、数多のエピソードとともに描き出す古典的通史。巻末にディスコグラフィー収録。
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Posted by ブクログ
アメリカが生んだジャズ、その世界の歩みは決して希望に満ち溢れていた道とは言えなかったことだ。
いっときの白人主体の白人ビッグバンドのスウィング時代を経て、サッチモことルイアームストロング、デュークエリントンやカウントベーシーの登場を経て、音楽に大きな改革を引き起こしたセロニアスモンクやオーネットコールマンの登場によって、進歩的ジャズ・ファンは黒人が創り出すジャズを認めざるを得なくなる。
その傾向に抵抗する白人達は、冷酷にも黒人ジャズメン達に理由なきリンチを繰り返した。
私が愛するピアニストのセロニアスモンクは、白人の暴漢に襲われ右腕を二度も骨折し、演奏活動不能の状態を繰り返した。
だが、このような出来事に当の被害者は勿論、メディアなども口を固く閉ざし、表立った問題にもならなかったようだ。
このような非情とも言える社会は、ついこの前の60年代まで容赦なく続いていたのだ。
この他にも人間の残酷なまでのエピソードを、ジャズシーンを通してこの一冊が教えてくれる。