あらすじ
2019年5月1日、日本の歴史が変わります。
「高齢譲位」(政府は「生前退位」と称しますが、内容は「高齢」を理由とした「譲位」にほかなりません)によって、皇位継承が行われた先例はありません。
2月末に、退位と即位に伴う儀式の概要が発表されましたが、それは正統的なものになっているのでしょうか?
さらに、今上陛下のご譲位によって、いよいよ皇位継承者は皇太子殿下、秋篠宮殿下(皇太子殿下の即位後は「皇嗣」殿下となられる)、そして悠仁親王殿下のお三方になってしまわれます。皇位継承権利のある成年皇族しか参列できないとされてきた即位の礼は、まことにさびしいことになってしまうのではないでしょうか?
皇位継承の歴史と未来、そして、今直面する危機についての決定版が本書です。
本書は1998年、文春新書創刊の第一号として世に出たものです。以来、ベストセラーとして版を重ねてきました。
そこに、最新の情勢を踏まえて大幅に加筆。増補改訂版として生まれ変わりました。
代替わりのすべてが、本書でわかります。
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Posted by ブクログ
来春予定されている皇位継承。その歴史を振り返るのに最適な一冊。以下押さえておきたいポイントをメモ。
光格天皇から今上陛下,そして皇太子殿下まで,実に七代続けて親子相続なの,初代神武帝以降が12代続いたの(つまり伝説)以外にない稀なこと。
(光格→仁孝→孝明→明治→大正→昭和→今上→皇太子)
光格天皇から大正天皇まですべて皇后(正室)でなく側室の子。
昭和天皇からは三代続けて皇后の実子。大正天皇は病弱のため側室はもたず。
明治以降,天皇は養子をとれない(皇室典範)が,昭和天皇の女官制度改革により,側室は廃止された。国民感情を考慮すれば側室制度復活はほぼ不可能。
病弱だった大正天皇のお后選びでは身体頑健が重視されて,結果皇子が四人も続けて誕生(昭和天皇,秩父宮,高松宮,三笠宮)。
一方,昭和天皇は香淳皇后との間に内親王が四人も続いて宮内省ヒヤヒヤだったけど,その後今上陛下と常陸宮が産まれている。
昭和天皇の御結婚に際しては宮中某重大事件があったこともあり,昭和天皇・香淳皇后の心労はいかばかりだったか。
発表されたお后候補の家系に色覚異常の疑い→憂慮した重臣が異を唱えるという,今考えると突っ込みどころ満載のどうしようもない事件。
しかし現状でも皇位継承は辛うじて悠仁様まで繋がっているに過ぎなくて,悠仁様は昭和天皇のように弟宮が何人もいるどころか同世代の男子皇族が一人もおらず,今後も望めないという状態。
これは普通に考えて,何かの機会に男系相続主義にメスを入れないと…だよなあ。。