あらすじ
母譲りの美貌で男女問わず手玉に取ってきた珠希(たまき)は、バイト先のコンビニでちょっと親切にしただけの浮世離れしたサラリーマン・杏藤(あんどう)に告白される。もちろん断る気でいたが、彼が大企業の御曹司(おんぞうし)だと知り付き合いを始めることに。だが純粋過ぎる杏藤に、珠希もいつもの調子が出ない。汚れきった自分を優しいと言い、大切なもののように扱ってくれる杏藤。そんな彼に珠希の心も……? 心と体に甘く響く純度100%ラブ。
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Posted by ブクログ
☆3.6
宇宙人リーマン×ビッチ高校生
まず、ビッチが苦手だから手に取るのを渋ってたけど、砂原先生のだからと思って買って積んでおいた。
ん~、やっぱりビッチは苦手だけど、ちゃんとしたビッチ(←おかしな表現)だったし、ちゃんと気持ちが揺れるところ、相手のために正しくありたい思うところ、読んでいくうちにすごくかわいく思えた。
宇宙人のリーマン杏藤は筋金入りのお坊ちゃまなのに、それだけじゃなく暗い背景があったのは、すごくポイントだった。
砂原先生の書くふんわりしてるのに少し底深いところが大好き!
一生懸命な二人がとても可愛かったです。
ただ・・・・・・
タイトルが合ってない気が。
あと、最後の一文
「王様みたいにさ」というのはちょっと違うな・・・と。
今までわぁぁって読んでたのに、最後にハシゴ外された感が。。。
王様?もっと違う感じかなぁと。
Posted by ブクログ
母譲りの美貌で、男女問わず、手玉に取ってきた珠希。
男癖の悪い母親に呆れて、勝手に家を出た珠希は、ボロアパートに一人暮らしをしていて、生活がかかっていたのだ。けれど、決して売春をしているわけでなく、恋人にちょっとしたお小遣いや食事をおごってもらう程度だった。
そんな珠希がバイトしているコンビニに、まったくコンビニ慣れしてないサラリーマン・杏藤がやってきた。彼は、店員として当たり前の接客をしただけなのに、どういう訳だか、すっかり珠希のことを気に入ってしまったようで、ついには珠希に告白してくる。
当然、珠希はそんな変なやつ、お断りするつもり満々だったが、彼が大企業の御曹司だと知り、付き合いを始めることにした。
けれど、超がつくほどの箱入りであった杏藤は、信じられないほど純粋で、珠希もいつもの調子が出せない。
汚れきった自分を優しいと言い、大切なもののように扱ってくれる杏藤に次第に珠希も惹かれていく……
という話でした。
なんというか、早々に家を出ざるを得なかった珠希は、かなりすれてしまっていて、恋だとか愛だとかを信じるつもりもまったくなくて。
一時しのぎだと思っているから、適当な付き合いをして、適当に別れてきたけれど、まったくそうではない杏藤と付き合ううちに、大切にされることの喜びを覚えて、次第に杏藤に惹かれていく、という話でした。
まぁ、あらすじだけはこんな感じなんですが。
珠希が変わっていく過程の中で、珠希が珠希の母親に自分の本音をさらけ出して、ぶつかり合って、ぎこちなく再び二人の間の距離を作り直す描写があるんですが。
なんていうか、そういうところがこの小説はすごいなー……と感じました。
二人だけの恋愛話じゃなくて、周りがいるからこそ、その二人がいるわけなので、例え恋愛が原因であっても、その人が変わり始めると、それが回りに影響を及ぼすのは当然のことなんだけど、それをなかなか当然にかけている小説はあんまりないので、すごいなー……と思いました。
そんな感じで、思春期のすっぱさも閉じ込めた優しい小説なので、ちょっと苦いけど甘い小説が読みたい方にはぜひ、オススメです。