【感想・ネタバレ】平家物語のレビュー

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Posted by ブクログ

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古川日出男による『平家物語』の完訳。
そもそも平家は原文自体が美しく、リズミカルだが、現代から見ると説明が必要だったり冗長だったりする部分も多い。訳者はそこに複数の「語り手たち」を、しかも無常観や仏の功徳について深く知っている「語り手たち」(彼らの正体は平家滅亡時の語りで明かされる)を登場させることによって、物語の主題がより明らかになるようにしている。「前語り」にて、訳者が書いた「物語の中味に改変の手を入れず、どうやって『構成』を付す? 私は、平家が語り物だったという一点に賭けた」という文に示されているように、「語り手たち」の登場によって、物語に新たな構造が生まれている、ということなのだろうと思う。
平家そのものの美しさと訳者の特徴的な文体の迫力とが相まって、始まりから終わりまで、活劇の場面も陰鬱な場面も、飽きさせられずに読み終えることができた。

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2023年11月09日

Posted by ブクログ

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印象に残ったフレーズ
・平重盛
聖徳太子の十七条の憲法にもこうあります。「人には皆心がある。心にはそれぞれ固執するところがある。彼を正しいとすれば、私は正しくない。私を正しいとすれば彼が正しくない。よって是非というのは定め難いもの。人は皆、相互に賢であり愚である。ちょうど環には端がないのと同じである。以上を持って腹立たしいことがあったとしても、それは自分の方に過失があったのではないかと省みよ」

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2019年12月21日

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