【感想・ネタバレ】パイドロスのレビュー

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Posted by ブクログ

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若いときにこんな古典をあまり読んでなくて今回初プラトン。何年か前に買って積んでいたのをやっと1冊解消。
二千四、五百年前の異郷という時代・地理的距離もどのくらいのものか、日常生活の感覚の何がどう違うのか同じなのかつかめない。
弁論の評価とはいえ恋の口説き文句(しかも時代状況から少年愛、いまから見るとBL的前提だ)という卑近な話題から始まるあたりに親しみが持てる。そして論理的に推論し常識・直感に反した主張に至ったのをいったん高く評価しかけるもソクラテスがはたと考え「恋ってそんなにくだらないことなくない?神様の賜物じゃん?真理を求めるのと同じ崇高な精神じゃん?」と異論を高らかに詠い上げる。かじり読みや耳学問とはいえ近現代思想の華麗にねじれた、まさにプラトンなどへの批判を含むような話をいくつか見聞きしてきた者の目から見ると、ひねくれてるような純朴すぎるような。しかしなんかおもしろいなという気もする。定評ある古典の一つのようだがいまひとつ消化不足感。繰り返し読まないと良さが汲めないのかもしれない。
語る言葉に対して書いた言葉を低めるくだりが終わりごろにあるが(デリダなどが批判した話か?)、訳者の藤沢は他ならぬ著者プラトンが幾多の書物を書き綴る苦労を知ったうえでの自戒だと指摘していてああそういう理解もあるなと思った。

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2017年10月14日

Posted by ブクログ

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古書。副題の「美について」がどうにもしっくり来ないが、〈訳者の解釈とは無関係に一応慣用に従って採った〉という記載もあるし、訳者としては「恋と弁論術について」辺りにしたかったのでは。中期著作の特徴たるイデア論の想起説等に触れつつも、後の『ソピステス』『ポリティコス』で縦横無尽の活躍を見せる分割法の萌芽も確認でき、現時点での哲学の総決算にして新たな領域へ踏み込もうという過渡期の印象を強く感じる。あと解説が素晴らしい。的確にして適度なまとめ方はさすがプラトン哲学の第一人者。逝去からもう10年以上経つのか……。

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2015年05月21日

Posted by ブクログ

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「自分を恋するものより恋していない人に身を任せる方が良い」という一見常識に反するリュシアスの言説を聴くことを発端に、恋することについて、そして弁論術批判についてソクラテスがミュートス(神話)を交えながら滔々と語るという内容。魂がかつて見た美のイデアへの欲求(エロース)の芽生えとしての恋を語り、弁論術に本当に必要なのは哲学により物事の真の姿を問答することであると語ることでどちらの主題も哲学礼賛へとつながるようになっている。
一読した感じだと最後の方の弁論術批判の辺りがよくわからず、うーん?となってしまった。しかし解説はさすがのさすがで過不足なく要点と解釈がまとまっており、そうだったのか、なるほどと唸らされる。今までの著作の内容も盛り込み、充実した内容を余裕を持って語っている姿が分かるようになってきた…と思う。最初は面食らったミュートスもだんだん癖になってくるというか、壮大さとロマンを感じられるようになってきた気がする。この調子で後期の作品も読んでいきたい。

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2023年12月21日

Posted by ブクログ

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恋と弁論術について。

正直よく理解できなかった。個々の論旨というよりも全体の位置づけ的な部分について。

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2017年05月21日

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