【感想・ネタバレ】夢みるチョコレート工房――働く喜びをつくるということのレビュー

あらすじ

不動産評価ビジネス分野で実績を上げていた著者・伊藤紀幸さんの人生は、30歳のとき、知的障がいを持つ息子を授かったことで大きく変わり始めました。日本での知的障がい者の賃金があまりに安いことを知った伊藤さんは、その将来を案じ、ならば知的障害者が働き、もっと稼ぐことのできる場を作ろうと、紆余曲折の末に、2012年、チョコレート工房「ショコラボ」を開業しました。いまやショコラボは、デパートのバレンタイン催事等でも人気のチョコレート工房に成長しています。
本書は、横浜市にある小さなチョコレート工房「ショコラボ」の愛があふれる起業ストーリーをまとめた1冊です。親子の愛、障がい者福祉、起業の面白さ、経営することの難しさやワクワク感、モノづくりの喜びなど、さまざまなテーマがぎゅっと詰まっています。

目次

プロローグ 幸せのチョコレート
第1章 息子との出会い
第2章 ショコラボの誕生
第3章 いよいよ、船出
第4章 ショコラボの楽しい日常
第5章 ショコラボが目指すもの
第6章 経営者としての学び
第7章 ダイバーシティ(多様性)を受け入れる社会づくり
エピローグ――19年と364日間経って思うこと
あとがき


<著者プロフィール>
伊藤紀幸(いとう のりゆき)
金融畑を歩むが、障がいのある息子を授かり、自分が本当にやりたいことは何かを見つめ直して脱サラ。障がい者の働く場創出と工賃アップを目指して、構想10年にして全国初の福祉のチョコレート工房を2012年11月にオープン。当初、障がい者には難しいとされたチョコレート作りを信念とミッションで切り拓き、JR東海の駅や有名百貨店・有名ホテル等で展開。各方面からその起業ストーリーの共感を得て躍進を続けるソーシャルビジネスの経営者。

※この電子書籍は株式会社ウェッジが刊行した『夢見るチョコレート工房―働く喜びをつくるということ』(2018年2月9日 第1刷)に基づいて制作されました。
※この電子書籍の全部または一部を無断で複製、転載、改竄、公衆送信すること、および有償無償にかかわらず、本データを第三者に譲渡することを禁じます。

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Posted by ブクログ

息子さんが障がい児として生まれてきたことをきっかけに、障がい者の雇用の場を創出し、全国平均月額1万円台という厳しい現実を踏まえて工賃アップを実現するミッションのもとショコラボを立ち上げた。
・自信のないメンバーもゆっくり着実にできることを増やしていく。できないことにフォーカスせずに、できることに着目するのがルール。そして、極力いろいろな仕事についてもらうべく、細やかなジョブローテーションを心がける
・人間の究極の幸せは、人に愛されること、人にほめられること、人の役に立つこと、人から必要とされること
・工賃アップを目指していたが、世の中には色々な立場、障がいの方がいる。だから、目指すべき方向も、正義への価値観も違うと気づいた。
・親族やヘルパーさんたちにありがとうを言う側の人生を過ごしてきた彼ら彼女らに、世間からありがとうを言ってもらう側に立ってほしい。
・組織は成長ステージによってバリエーション(変化)→セレクション(選択)→リテンション(維持)というメカニズムを経験する。セレクションとリテンションでは、組織は同質の人材をそろえがちになるが、成長が一巡するとバリエーションに戻るため、ダイバーシティが注目される。
・性別、国籍、年齢、障がいの有無などデモグラフィー型の人材多様性により、一定の効果も生まれるだろうが、より重要なのは、実際の業務に、必要な能力、経験の多様性ということになる。
・障がい者の多様性を活用しながら、自社のCSR活動の一環としてCSV(社会問題を企業の事業戦略と一体のものとして扱い、企業の持つスキル、人脈、専門知識などを提供しつつ、事業活動として利益を得ながら、社会問題を解決、企業と社会の双方がその事業により共通の価値を生み出すこと)を推進していくとよいのではないだろうか。

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2019年12月26日

Posted by ブクログ

賃金の安さで働き甲斐をなくす気持ちは
よーくわかるし 身につまされてるので
障碍者の福祉という観点にとどまらず
共感できた本でした

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2020年01月21日

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