【感想・ネタバレ】零戦(ゼロファイター)老兵の回想―南京・真珠湾から終戦まで戦い抜いた最後の生き証人のレビュー

あらすじ

滞空時間8000時間、日本が世界に誇った「零戦」を駆って戦い交戦国から畏れられた歴戦のパイロット・原田要。
南京攻略、真珠湾攻撃、ミッドウェー海戦、ガダルカナル島争奪戦など、幾多の戦場をくぐり抜け、自らを「零戦老兵」と呼ぶ著者が翔け抜けた戦前、戦中、戦後が鮮やかによみがえる。
ミッドウェー海戦で、最後まで孤軍奮闘した空母「飛龍」から最後に飛び立ったのが著者だった!
生きるか死ぬかの極限の戦場で、著者は何を見、いかに行動したのか。
実際の戦場を知る著者だからこそ語り得る体験には、戦記の枠を超えて、混沌としたこの現代を力強く生き抜くためのヒントが多く隠されている。
多くの日本人、特に次代を担う若い人たちに読んで欲しい1冊!

著者略歴
原田要
元ゼロ戦戦士。大正5年8月11日長野県生まれ。昭和8年、横須賀海兵団入団。昭和12年支那事変勃発。同年第35期操縦練習生を主席で卒業し、同10月第12航空隊附で中支戦線に出動し、「パネー号」爆撃、南京攻略戦に参加。昭和16年、空母蒼龍に乗り組みハワイ真珠湾攻撃に参加。その後、激戦地を転戦。重傷を負い、内地で航空教官となり終戦。戦後、公職追放の苦難の中、農業、酪農、八百屋、牛乳販売など様々な職業を経て、昭和43年に託児所を開設。昭和47年学校法人「ひかり幼稚園」として認可され、同時に園長に就任。歴戦の元零戦パイロットとしての使命と誇りを胸に、戦争の悲惨さ、平和の大切さを各地で講演すると共に亡き戦友の慰霊を続けた。平成22年、園長を退いた後も幼稚園で子どもたちと触れ合うのが日課だった。平成28年5月、皆に惜しまれながら99歳で帰らぬ人となった。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

長野に生まれ、海軍に志願し、駆逐艦乗り組みの兵から操縦練習生となり、戦闘機乗りとして日中戦争から昭和20年の北海道、千歳基地まで、戦い、生き抜いた方の著。
90歳代になってから、今の思いとともに、当時の記憶をもとに書かれています。1991年、著者が75歳のとき、湾岸戦争の報道映像への若者の反応をみて戦争の実態を語らなければいけないと、活動を始めたとのことです。原田氏の経験はまさに航空戦の最前線の連続、まるでドラマの主人公のように次々と、戦史上有名な厳しい戦いの場に直面します。
ミッドウェー海戦での飛龍からの最後の発艦、駆逐艦巻雲から見た光景。語っていただいてありがたいことです。
昭和16年に結婚された奥様の思いも痛烈に感じます。
長野に復員後暫くして幼児教育に身を投じられた夫妻の生き方にも共感を覚えます。
昭和の重大な歴史を、生き証人が語ってくれる、この貴重な体験談を読むことで翻って自分の生き方を考えることができます。人生に目的を持って生きると大切さを学びました。

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2013年04月15日

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