【感想・ネタバレ】振子気動車に懸けた男たち JR四国 2000系開発秘話のレビュー

あらすじ

昭和62年4月に発足したJR四国は、高松と西条・高知を結ぶ高速道路の建設が進められるなど、厳しい経営環境に置かれていた。そこで、都市間輸送のスピードアップが重要課題と判断したJR四国は、曲線区間の多い四国の鉄道に合った振子車両2000系気動車の開発を進める。同社の命運をかけた特急車両を成功させようと、ルビコン河を渡る思いで決断を下した経営陣、それを受けて実現までには立ちはだかった幾多の難関をブレークスルーした鉄道マンたち。当時の関係者への綿密な取材を基に、その苦闘の足跡を克明に綴る。

福原俊一(ふくはらしゅんいち)
昭和28(1953)年2月、東京都に生まれる。武蔵工業大学経営工学科卒業。電車発達史研究家。主な著書に『鉄道そもそも話』『星晃が手がけた国鉄黄金時代の車両たち』(交通新聞社)、『ビジネス特急こだまを走らせた男たち』『日本の電車物語』『581・583系物語』『111系・113系物語』(JTBパブリッシング)などがある。

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Posted by ブクログ

タイトルは2000系ですが、電車版振り子特急の8000系や、更には伊予灘ものがたりまで出てくる、JR四国車両開発史となってます。JR四国は車両に詳しい人が社長だったので新機軸を実現できたと思っていたのですが、最初は振り子は失敗するから止めさせようとしていた側だったのは新発見。ただ失敗しても良いように軽量化などの他の改良点を積み重ねた結果、いざ振り子が成功すると爆速列車になってしまったという感じで。こういう開発の話はとても好きです。

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2022年05月11日

Posted by ブクログ

昭和62年、国鉄分割民営化により発足したJR四国が独立採算への圧力と、四国に整備を予定された高速道路に対向するため、曲線区間の多い線区において、到達時分を短縮することに使命感を燃やした男達のドキュメントである。気動車は、車体に燃料タンクと内燃機関を搭載するため、電車以上に振子ユニットを追加するのが困難なことは想像できる。また線路の基盤改良も必要だ。それにしてもJR四国はJR九州に負けず劣らず素晴らしい車両があるんだな~。アンパンマン列車の東日本大震災被災地運行の話はじーんときた!

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2021年08月23日

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