【感想・ネタバレ】デザイン家電は、なぜ「四角くて、モノトーン」なのか?のレビュー

あらすじ

【フォルムの歴史とルールがわかれば、デザインはこんなに面白い。】
よいデザインをしたり、よいデザインの物を選ぶことは、理屈ではなく「感覚=センス」だと一般的には思われています。また、「デザインを理解する」ことも、一般の人にとってはハードルが高いと思われがちですが、「デザイン」を理解したい、そしてビジネスなどに活かしたいと考えている一般の人は少なくないはずです。
本書は、そんなデザインを理解したいと思っている一般の人や、なんとなくデザインがいつも気になっている人を対象に、身のまわりにある「家電」や「家具」「カメラ」などの具体例を挙げながら、デザインの基本的なルールと、プロダクトデザインの歴史的な変遷を追い、表題の「四角くて、モノトーン」が製品デザインの基本ルールである理由、そしてデザインがどこに向かっていくかを解き明かしていきます。
一般に馴染みのある家電やデジカメ、椅子などの製品を掲載するだけでなく、ブラウン、ソニー、アップル製品といったエポックメイキングなデザイン製品を取り上げながら、現在そして未来のデザインの方向性を探ります。使う側の立場だけでなく、デザインをする側の立場からの「ルール」も解説することで、実践的な解説書としても読むことができる、今までにないデザイン読本です。

【おもな内容】
■第1章 面白い家電デザイン
■第2章 フォルム 見た目の第一印象
■口絵 [フォルムと解放感]
■第3章 フォルムのルール
■第4章 家電デザインの楽しみ方
■第5章 アップルデザインはどこがすごいのか?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

家電のデザインの基本ルールをさらった上で、実際にあったユニークな家電(丸い電子レンジとか)を紹介。
結局、四角でモノトーンは、誰からも嫌われないフォルム(=フォーマル)なので採用されている。

その上でAppleのデザインの特徴の言語化。
ブラウンとソニーを土台に変化球フォルムを仕立てあげているという考察は納得できて面白かった。

10年前の本だけど、今でも転用できる物の見方を学べた。
iPadを使ってた当時を思い出しながら、楽しく読めました笑

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2023年07月24日

Posted by ブクログ

デザインの現代の歴史的流れを知る上で、おもしろい本だった。建築のデザインに共通するものがあった。著者は、シャープでデザインをしていたこともあり、デザイン・オタクでもある。
この本は、デザインにポイントを置いて、家電のデザインの変遷の歴史を論述している。つまり、家電のデザインは、「なぜ四角くて、モノトーンなのか」を説明する。
デザインにおいては、出会いにおける第1印象をどう作るかである。人と人の出会いは、物腰といい、文章では文体と言い、モノではフォルムという。
「デザインの美しいものは、より使いやすいと認知され、より受け入れられやすく、長く使われ、創造的思考と問題解決を促す」という。固いー柔らかい。フォーマルーフレンドリーの軸で評価される。「信頼できるか」「信頼できないか」というのが第一印象による判断の核心かも指摘している。
フォルムには、四角形、三角形、円形、有機的がある。結局家電のデザインのルールは、四角畔、モノトーンが無難という経験的結論となった。それは、誰にも嫌われないことが生活家電のデザイン特徴となる。この結論ありきの、論考はおもしろい。非常にたくさんのユニークな家電が出される。
卓上で使う電子レンジは、円盤のように丸いものとか、ユニークなものは多いが、淘汰されて行く。
そして、デザインは、ドイツのブラウン、ソニー、アップルへと変遷して行く様を説明する。
ソニーが、デザインで優れていたが、結局アップルのデザインがうわまって行くのである。
その辺りは、残念だが、言われてみるとなるほどと思う。
アップルをデザイン的にシンプルだと思っていたが、デザイン的な視点からみたアップルのこだわりが明快に語られているので、こういう視点で見るのかと感心した。
モノのフォルムについて、もっと注意深い観察が必要だと思った。
ホイジンガの「ホモルーデンス」において、遊びは文化よりも古く、人は本来「遊ぶ人」であった。
その遊びの定義からデザインを表現すると「制限された空間や時間の中で、独自のルールに従って行う創意に基づく自由な活動」と著者は定義する。遊ぶためには、ルールがいるというまとめかたもありだね。勉強になる本だった。

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2021年06月24日

Posted by ブクログ

 著者がこの本を書いた理由は、「もっと家電のデザインについて気軽に話が出来てもいいのになあという」願いからだとある。確かに、家電を選ぶ場合、デザインよりも機能、値段に重点を置いている。

 テレビをつけていたらどこかの会社の社長が、これからの電化製品は機能面では差が付かないのでデザインで付加価値を付けると言っていたのを思い出した。これだけ物があふれる時代だと、何か斬新なものをおまけに付けないと売れる前にまず話題にすら上らない。著書を読んでいるとデザインにもいろいろあったのだなあと思った。

 丸くなったり、四角くなったり、流線形になったりしているが、「売れるのはフォーマルなデザイン」と述べている。というのは、「面白い」デザインであっても、実際に買いたいデザイン」というのがあり、それはオーソドックスなデザインをユーザーが求めているからだとある。みんながあのピカソやダリのようなアバンギャルドな感性の持ち主だったら奇抜なデザインの家電も売れるだろうが、なかなかそうはいかない。

 電気カミソリで有名なブラウン、かつて一世を風靡したソニーやアップルの製品が取り上げられているが、これからのデザインはどうなっていくのか。これから発展していき経済水準の上がっていく国や地域から今までにないデザインを創造するデザイナーの登場に期待したい。製品にも遊び心が必要だからなあ。

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2014年06月08日

Posted by ブクログ

タイトルにつられて読んでみた。タイトル「デザイン家電はなぜ四角くてモノトーンなのか」について作者は「基本的なルール」と言及。その根底には日本の住環境に馴染むフォルムということと、製品設計の合理化がある。しかしながら、そんなフォルムばかりではちっともつまらないので、最終的には消費者のニーズにマッチしているなら、ルールをベースにして直球でいくか変化球でいくかは自由である。直球の代表として「BRAUN」「無印」など、変化球の代表として「ソニー」「APPLE」を挙げている。あくまで家電デザインの一知識として。

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2014年05月31日

Posted by ブクログ

 デザインの読み方のエッセイといったところか。表題の答えらしきものは書いてあったが明確ではなく、全体を通して何を言いたいのかよく分からなかった。ただし、著者がアップルのデザインが大好きであるということはよく分かった。内容自体は悪くはないと思うので、変に解説書のような書き方をせず、エッセイとして書いたほうが良かったように思う。

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2014年02月11日

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