【感想・ネタバレ】エンディングノートのレビュー

あらすじ

還暦を迎える男は、半年のあいだに対照的な二人の死を経験した。享年83の母と、27歳の元部下。晩年の母を介護したのは、妻だった。その母はエンディングノートを遺し死に支度も調えていたが、なぜか60歳以前の自分史にはまったく触れていなかった。元部下は鬱病とも失恋の末の自殺とも言われていたが、真相は定かではない。ただ二人には共通していたが、後悔の念だけは伺えなかった……。小説にしか描けない、「終活」の真実。

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Posted by ブクログ

定年を間近に控えた正悟は元部下の27歳という若さでの自死に愕然とする。自殺の真相を調べていくとある重大な事実に突き当たる。同じ頃、妻の千穂は莫大な金額が絡む詐欺事件に巻き込まれていた。お互いが目の前の難題に精一杯で、相手を誤解し、絆は壊れていく。それぞれの過去が明かされ、ラストへ向けて物語は大きく動いていくが、最後の正悟の母が残したもう一冊のエンディングノートと千穂が記したエンディングノートを読んだ時、この本のキモに気づく。人生の選択において必要な事は、死を意識した時に初めて分かるのではないか?

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2018年04月26日

Posted by ブクログ

題名から暗い話かと思って、読み始めた。
人生の教訓あり、正義と出世との狭間での葛藤あり、若干のミステリーあり、面白かった。
警察の取り調べの記載は作者の経験からかリアリティが感じられた。
楽しみよりも試練が多い人生。人間は皆、そうした人生を味わうために、この地上に舞い降りて来ている。

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2018年03月27日

Posted by ブクログ

エンディングノートを書く。夫婦や兄弟姉妹、親友であっても普段の生活を過ごす中で伝えられない言葉は積み上がっていく。そういう積み上がった言葉を紡いで、いつか伝えられる日がきた時に備えて、エンディングノートを書く。そのノートをバックに入れていつも携帯する あるいは容易には発見できない場所に置いておく。
読み手が読むのに相応しい心の余裕(あるいは心の隙間)が生じたころ、そのノートを発見して、じっくり読む。そういうストーリーをイメージしながら毎日言葉を紡いでいく。それは理想であり感謝であり達観でもある。
エンディングノートが読まれる時、どのような状況にあるとしても、心からのメッセージが読み手を導く。エンディングノートの持つ不思議な力を感じることのできる物語。
少し心の隙間を感じる時に、一読をおすすめします。

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2025年10月01日

Posted by ブクログ

還暦を迎える正悟は半年の間に83歳の母と27歳の部下を亡くした。部下の無念をはらそうと動く。調べていくうちに大切なことが見えてくる2人が残したものは地位や名誉やお金ではなくまっすぐに生きた足跡。そのまっすぐな足跡は残されたものにとって何よりの財産となる。
※生きる長さに関係なく生きる試練にどう向き合ったか
※人間は欲を持つから幸福から遠ざかる。満たされない自分は不幸だと思い自分の利益のために他人を犠牲にする
※死ぬ間際になって人生を振り返った時もっとお金を稼いでおけばよかったと思わない。もっと善行を積んでおけばよかったと思う。生まれてくる環境は選べないが生き方と死に方は自分で選べる
※恥じることのない道を歩んでいくだけ

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2025年05月09日

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