あらすじ
【内容紹介】
シリコンバレーから北欧まで、左派から右派まで
世界で爆発的な関心を集める所得再分配の手法
AI失業も経済格差も克服できるのか?
世界的論客による必読の一冊
(本文より)
この本は、ベーシックインカム(BI)への賛成論と反対論を一とおり読者に紹介することを目的としている。
BIとは、年齢や性別、婚姻状態、就労状況、就労歴に関係なくすべての個人に、権利として現金(もしくはそれと同等のもの)を給付する制度のことだ。
本書ではBIとはどういうものか、この制度が必要とされる根拠であるところの三つの側面、すなわち正義、自由、安全について論じ、経済面での意義にも触れる。
また、BIに対して唱えられてきた反対論、とくに財源面での実現可能性と、労働力供給への影響について考えたい。
さらに、制度の導入を目指すうえでの実務的・政治的な課題も見ていく。
【著者紹介】
ガイ・スタンディング
Guy Standing
経済学者。ベーシックインカムの啓蒙団体、BIEN(Basic Income EarthNetwork) の共同創設者、現共同名誉理事長。イリノイ大学にて労働経済学・労使関係論にて修士、ケンブリッジ大学にて経済学博士号取得。国際労働機関(ILO) エコノミスト、バース大学教授、ロンドン大学アジア・アフリカ研究学院(SOAS) 開発学教授などを歴任。著書に『プレカリアート~不平等社会が生み出す危険な階級』などがある。ベーシックインカム賛成派を代表する論客。
【目次より】
はじめに
第1章 ベーシックインカムの起源
第2章 社会正義の手段
第3章 ベーシックインカムと自由
第4章 貧困、不平等、不安定の緩和
第5章 経済的議論
第6章 よくある批判
第7章 財源の問題
第8章 仕事と労働への影響
第9章 そのほかの選択肢
第10章 ベーシックインカムと開発
第11章 推進運動と試験プロジェクト
第12章 政治的課題と実現への道
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Posted by ブクログ
ベーシック・インカムについての参考図書として読んでみました。
そもそも個人的には、ベーシック・インカムに賛成なのですが、この本を読んで、ますます賛成の意を強くしました。
ベーシック・インカムについて、反対意見は、エピソードベースのものが多いのに対し、賛成意見は、エビデンスを重視しているように見えます。
この違いを乗り越えない限り(この違いを大多数が理解しない限り)、ベーシック・インカムの導入は難しいと思うのですが、おそらくそれは、想像以上に大変なことだと思います。
いろんなリテラシーが求められますし、学校教育だけでは、そのレベルに達するのが大変だと考えられるので。
Posted by ブクログ
ベーシックインカムはぜひ導入して欲しいシステム。結局、権力者が既得権益を手放さない、自分の存在意義を持ちたいというのと、人への信頼感の問題というティール組織と同じ問題が立ちはだかる、というのがよくわかった。これからの社会のポイントは信頼という気がする。
Posted by ブクログ
ホリエモン本がベーシックインカムさえやっときゃ問題解決ー的に話を進めていたので、何でそういうことになるんだ?と思って入門的に読む。が、一般向けと前書にはあったものの、ガイ先生(著者)がエリートオブエリーツな学者だからか、大学の講義みたいで彼の想定する一般てだいぶ上級だよたぶん。歯応えありすぎ!
でも多方面からの反対を想定内とし、制度の実現を本気で想う確固たる姿勢がよかったです。ここまで論破されると逆に何でやらないの?ていう気になってくる。
ベーシックインカム、導入されたら働くは働くけど仕事のペース落として、週1惰眠の日とか制定したい。