【感想・ネタバレ】電子部品 営業利益率20%のビジネスモデルのレビュー

あらすじ

競争をやめると利益が生まれる! 高収益企業に共通する最強のビジネスモデルを提示。

◆営業利益率10%が当たり前の企業たち
日本企業の大きなテーマとなったROE。そのもとになるのは利益=稼ぐ力で、アベノミクスの最重要課題でもあります。多くの企業が営業利益率10%(日本の平均は5%)を目指すなか、驚異の50%超を誇るキーエンス、35%超のファナックを筆頭に、20%超のエーワン精密、村田製作所、SMC、ヒロセ電機、10%超の日東電工、日本電産、堀場製作所など、日本には電子部品を中心にきら星のごとく超高収益企業が並んでいます。

◆強さの秘密は競争しない戦略(=賢明な寡占)にあり!
なぜこれら企業は高収益なのか? 人気アナリストとして企業分析に携わり、コンサルタントとして数多くの経営を見てきた筆者は、共通する経営戦略として「ニッチ=競合や他人と違うこと=競争しない」ことをあげます。利益とは他と違うことに対して支払われる対価であって、これら企業はいずれもが、人と違うことをする(=競争しない)ことにより、「賢明な寡占」状態をつくり出していることに注目します。

◆圧倒的な直接取材と情報収集・分析
筆者の最大の強みである直接取材と情報収集力をもとに、あえてマーケットの小さい分野に特化して圧倒的寡占状態をつくったファナック、電源用部品のカタログ販売という他社とは違う土俵で勝負するコーセル、小口対応の短納期という最も不効率と思われていた生産方式で標準品の利益率を上げたエーワン精密など、具体例を豊富に盛り込みながら、「賢明な寡占経営」の強みを解説。コストでは敵わない新興国との競争で疲弊する企業が将来を考えるヒントを提供します。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ちょっと柔らかくしすぎてて、何にでもニッチを当てはめすぎてるきらいはあるものの、分かりやすく過去と現状を解説し、将来のヒントも盛り込まれておる。他も読んでみよう。

0
2016年04月14日

Posted by ブクログ

ニッチの定義は自社にしか出来ないという事。
ニッチであるかの確認は、他社で代替出来ないか?顧客が困るか?を問う。
ニッチは景気に業績が左右されにくい
ニッチになるには、人と違う事をする事を考える
ニッチであることは、安定経営が第1目標であれば王道の戦略になる
ニッチに投資する事で、ニッチ事業に対して顧客が要求してくれるため、さらなるニッチ化を進められる

・ニッチ産業を始めるときに、市場の成長性などの外部環境よりも、自社が他社に負けない自信があるかと言った内部環境を元に、対象を判断すべき

・何でも出来る総合メーカーも、各事業領域のニッチトッププレイヤーには勝てない時代になってきていて(=フラット化する世界の考え方)、ニッチ化が安定した経営につながる

・技術でニッチトップになるのか、ビジネスモデルでニッチトップになるのか、やり方は色々ある

・ニッチ化の方法として競合を止めるやり方があり、競合に対して知財を提供する(インテルやARMのライセンスビジネス)、部材を供給する(日本のメッキ薬液、要は液晶パネルはレッドオーシャンだけど部材供給はブルーオーシャン)、機械を供給する(三菱電機)、競合に投資する、がある

・他の企業の領域を下手に侵さない、顧客の領域を侵さない

電子部品って最終製品や技術の流行りに影響をモロに受けるけど、食品だと受けないなと思った。
食品関係での同じビジネスモデルってあるかな?というより食品はさらに最終製品の流行りの影響を受けちゃうな…

0
2018年10月09日

Posted by ブクログ

たまにはデバイス業界の本も読んでみる。
デバイス業界の様々な企業の事例から、ニッチ(=他社と何らかの差別化をすること)で高収益を確保できるということを論じている。ニッチの実現方法も様々。
個人的に響いたメッセージは、「規模(外部)よりもニッチ(内部)を優先する」、「外部委託できないものが付加価値の源泉」。
半導体業界の事例も多く、自社周辺の業界知識に乏しい自分には勉強になった。

0
2016年07月18日

Posted by ブクログ

産業ピラミッドの頂点には商品・サービスの企画企業(appleなど)がいて、その下に部品メーカーやEMSなどがある。
企画は確かに利益率が高いが、サプライチェーンの管理・構築やブランディング、販売網などのバリューチェーン全体の最適化を行う必要があり、簡単ではない。
部品やノウハウを提供する企業してニッチを狙うべきだと本書は指摘している。
ニッチを狙うべき理由は
・シェアが高くなると利益率は高くなる(規模の経済、学習効果等)
そのためにはGEやコマツのように勝てないならやめるという視点が重要。

ニッチの狙い方として
・部品メーカーや企画会社にノウハウを提供する会社(ニッチの定義から外れている気もするが)
・Teir2でニッチ分野を作る
・メーカーに納める(FA機器や、回転寿司業界の自動にぎりマシーンなど)
を挙げている。

最後にはニッチ企業の例を紹介している。

0
2018年03月18日

「ビジネス・経済」ランキング