【感想・ネタバレ】感染症の世界史のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年11月28日

コロナ禍における、全国民の必読書。

複雑なものを、安易に簡略化させず、複雑なままに私たちにインプットさせると筆者の心意気に感謝。

本書中では、新型コロナウイルス といった、新しい感染症の流行も予期していた。

0
ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年06月10日

すごい。平成30年初版なのに、今回のコロナ流行を見事に予言しているかのような後書きだった。
比較的衛生環境がよい現代の日本で暮らしているから気づかなかっただけで、世界では、エボラ出血熱を筆頭に数多くの感染症がとうに流行していた。また、日本でもかつては天然痘、結核などの流行で何度も人口を減らしてきた。...続きを読む人類の歴史は進化する病原体との戦いであり、今に始まったことではないらしい。
これから衛生環境は少しずつ進化していくのかもしれないが、それ以上に、人口増加に伴う森林破壊や食肉の確保、都市への人口密集など、人間社会は病原体の繁栄に有利な方向に変化しつつある。今回のコロナ流行もある意味必然の出来事なのかもしれない。
人間にとっての最恐の自然災害であるという認識を持って、常に対策を強化し続けなくてはいかなくては、こちらも常に進化する病原体に勝てないと分かった。

1
ネタバレ

宿主と微生物のせめぎ合い

mac
2022年09月30日

・宿主と微生物のせめぎ合いは軍拡競争に似ている。
人類は病気を抑え込むために次々と新たな手段を開発してきた。
微生物は薬剤への耐性を獲得することで、ヒトが繰り出す新たな兵器を巧みにかいくぐる。
宿主側はさらに対抗手段を強化しなくてはならない。
・菌が耐性を身につけたということは、抗生物質から...続きを読む生き残った耐性菌が大増殖して猛威をふるうだけでなく、
耐性のない菌までも「耐性遺伝子」を受け取って、耐性菌へと変身する可能性が高まることでもある。
・われわれ人間も、耐性菌を作り出すのに知らず知らずのうちに貢献している。
服用された薬は、全てが体内で代謝されるわけではない。
効果を維持したまま排泄され、トイレを通って下水へ流れ込む成分も多い。
これが河川や海水を汚染する。
・「病気の不快な症状」と忌み嫌っているものの多くが、実は進化の途上で身につけた体の防御反応だ。
「発熱」は微生物を「熱死」させるか、患者が「衰弱死」するかの「我慢比べ」である。
「咳」「吐き気」「下痢」は病原体を体外に排出する生理的反応だ。
「痛み」や「不安」は病気の危険信号なのである。
・戦争が勃発するたびに、兵士も一般市民も食糧不足、不衛生などに苦しめられ、これに感染症が追い打ちをかけた。
特に軍隊は均一的な集団であり、長時間生活を共にするために感染症が蔓延しやすい。
・地球は微生物で満ちていて、年間200万トンを超える細菌やウイルス、5500万トンの菌類の胞子が霧雨のごとく振り注いでいる。
微生物は地表40キロ上空から海面下10キロの深海底まで生息している。
・人体も「常在菌」とよばれる微生物に満ち溢れている。常在菌は体内で互いに排除したり共生したりしながら
一定の調和を保って共存共栄している。
・何らかの原因により、常在菌が本来のすみかでないところに入り込んでしまうと、炎症を起こしてしまう(異物として認識される)
飼いならされていない「野生菌」が入り込んだり、人体が免疫を失って無防備状態に陥ってしまったとき、突如として牙をむく。
・「感染症かアレルギーか」。感染症にかかりにくくなったら、今度はアレルギーに悩まされることになった。
両者はシーソーのような関係であった。

0

「学術・語学」ランキング