【感想・ネタバレ】「本を売る」という仕事のレビュー

あらすじ

次々閉店していく街の本屋の中で生き残っている書店は何をしているのか――書店現場の知恵と情熱を追う!
全国100書店を徹底取材して見えてきた「これからの本屋のかたち」とは!?

〈街の本屋は次々と消えている。読書環境を保証する街のインフラともいえる存在が失われつつあるという事態には、危機感を抱かざるを得ない。私のように本屋に行きたい子らはいまもいるはずだ。では、どうすればいいのか。
だからこそ、街の書店に焦点をあて、なぜ書店経営が困難になったのかその理由を追いつつ、そんななか創意工夫をこらして地域の人々とともに歩む書店を紹介したいと思った。また、困難ななかあえて書店業に参入した人々に光をあてたいとも思った。それが本書の“旅”の目的だった。〉「あとがき」より

第1章 しぼむ街の本屋
第2章 地域と書店
第3章 街の本屋の挑戦
第4章 新しい本屋のかたち
第5章 震災を超えて
エピローグ 山陰で出版人を育てる「本の学校」

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Posted by ブクログ

低迷にあるといわれる地域の書店の実態を数十店舗取材したルポルタージュ。著者は「困難な時代であっても街の本屋が街の本屋として成り立ってほしいと願いつつ、さまざまなかたちで奮闘する書店を見て」いる。閉店していく街の本屋がおおい中で奮闘している本屋の姿を丁寧に描いて、まだまだ頑張っている本屋がいることに勇気づけられる。独自のチョイスで個性的な書棚を作る本屋もあれば、文具や生活用品と併せて販売したり、立地や地域のニーズによって本屋の形もさまざまなであるが、それぞれの店主が工夫をして生き残りをかけている。その熱意は地域の読書活動、文化の拠点たれという気概があるからだろう。この本屋もあの本屋も行ってみたいと思わせる魅力がある。
著者が福島県出身ということから東日本大震災以後の東北地方や2016年6月の震度7の地震以後の熊本県の書店を多く取材している。本屋の姿から被災地の生活の現状も垣間見られる。人の生活が安定していけば、本屋は求められる。地域の人との交流を大切にしている本屋の姿がそこにある。
決して簡単ではないが、本屋の醍醐味は確かにある。この本を読んで自分も本屋をやってみようと思う人もいるのではないだろうか。

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2018年05月12日

Posted by ブクログ

フリーランスの記者が、ここ5年、とりわけ東日本大震災以降、出版不況とも相俟って消えていった街の本屋さんを中心に書き下ろした雑誌の連載を本にまとめたもの。岩手・宮城・福島の3県と熊本は別の章立てで構成。

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2018年03月26日

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