あらすじ
あの頃の僕らはまだたくさんの高いものに世界を囲まれて、息苦しさを覚えていた。自由に走り回っているようで、ふと気づくと自分がどこにも行けないような気がして焦り、苛立ち、空を仰いでいた。僕らが『魔女』に出会ったのは、そんなときだった。あれから数年、自殺した稲村が生き返った。思い返すのは、例の魔女のこと。あの場に居合わせた僕ら六人は、どうやら命を一つ分だけ貰っていたらしい。一度だけ復活できる。なら命一つ犠牲にして、僕らに何が成し遂げられるだろう。
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Posted by ブクログ
この、死んだ妹の為とはいえ同級生を何人も殺した様な人が、二つ目の命すら使わないで生き残っている。そんな清々しいバッドエンドが私は大好きです。
Posted by ブクログ
腰越、和田塚、江ノ島、稲村、七里、藤沢。人間関係が理解できなくて読後にネットで解説を探してやっと落ち着いた。友だちとは呼べないような幼馴染たちだが、どいつもこいつもといった個性派。木の実の使い方を間違っているとしか思えない。まあ、好んで手に入れた命ではないので無駄使いしても仕方ないのかな。藤沢以外は見ていただけで何をしたわけでもないのに貰った命だ、ギャンブルで得たお金みたいな使い方になるわけだ。自殺してなりたい自分に生まれ変わるのはありだと思うけど、稲村もよりによって藤沢になることはないだろう。