【感想・ネタバレ】P+D BOOKS 単純な生活のレビュー

あらすじ

淡々と湘南暮らしの日々を綴った自伝的作品。

母の死や息子の受験など煩雑な現実に振りまわされながらも、“もっと単純に生きられたら”と、心ひそかに願う中年の男。

心臓を患った彼は、年寄りの医者にもっと海でも眺めていろと通告され、そんな偏屈さに妙なシンパシーを抱く。「単純」とははたして何か――。

期間にして2年半の日々を、静かに、淡々と綴った阿部昭の自伝的作品であり、妻への思い、3人の息子それぞれに対する複雑な思いなどがユーモアと深いペーソスで綴られている。

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Posted by ブクログ

大人になって、家族が増えても、ひとりで散歩を楽しんだり、仕事をするまでの気持ちを作ったり、子供の頃とあまり人は変わらないのかもしれないことに、読んでいて安心する。
自分の子供のことで頭がいっぱいになったり、パートナーの老いやその先のことを心配したり、寂しさも認め、大変なことだったと綴る言葉の素直さがとても良いと思った。
大変な時は、大変だと言って良いんだと思えた。
この本の発行日付から、およそ5年後で作者のプロフィール欄が結ばれていて、読み終えてからその年月を想像してみたりした。

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2022年01月01日

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