あらすじ
『ユダヤ古代誌』『ユダヤ戦記』の著者として高名な歴史家フラウィウス・ヨセフス(37年ころ‐100年ころ)は、パリサイ派の祭司でもあり、ユダヤ反乱軍の指導者でもあった。その多面的な相貌と同様に、著作も愛読と同時に、誤用・濫用・悪用されてきた。その人物と歴史を語ることは、キリスト教の裏にある反ユダヤ主義というヨーロッパ文化の・思想の根源を考えることに他ならない。本書は、その生涯、著作の内容と著された背景、そして近代に至るまでの著作の運命、現代におけるヨセフス学の意義などを考察した本邦初の試み。
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Posted by ブクログ
「ユダヤ戦記」「ユダヤ古代誌」の著者であるヨセフスの生涯、著作の紹介、「キリスト証言」を中心としたヨセフス著作の伝承の歴史をまとめてある本。この著者はいつもそうだが根拠のない想像をもとに、仮説の上に仮説を立てて論じていくみたいなところがあり大胆にすぎるなあと思う。そのくせ、古代のキリスト教徒歴史家の「根拠のない」文章を激しく攻撃するのはどうなんだと思ってしまう。この本は他の著作に比べればまだ全然ましな方だが、キリスト教嫌いすぎでその批判に文章が引っ張られまくるんだよね。ヨセフスが(おそらく)その意に反してキリスト教擁護・ユダヤ教攻撃のために読み継がれ引用された歴史は確かにかわいそうだと思うが…。
「ユダヤ戦記」「ユダヤ古代誌」を訳したその人であるだけあって詳しく読みやすくはあったが、そういう諸々のもやもやがあり手放しで面白いなとはならなかった。