【感想・ネタバレ】トランプvs.中国は歴史の必然である 近現代史で読み解く米中衝突のレビュー

あらすじ

歴史に学べばトランプ政権は中国を潰す!
-----------------------------------------

「近代から現代まで、ニクソンからオバマまで、アメリカが中国に騙され裏切られてきた歴史から、トランプ政権の「中国潰し戦略」の必然性を探る一冊だ。」(石平氏)

中国のデッドラインを簡単に超えたトランプ。
彼は中国幻想という米国伝統の病を持たない。
一方、中国もその生死をかけて一歩も引けない理由がある。

アジア覇権をめぐり米中は衝突する。
だからこそ日本が危険なのだ!


◎トランプはなぜ中国を敵視するのか?
◎アメリカのアジア基本政策とは?
◎中国にとって台湾問題とは何か?
◎「一つの中国」とは何か?
◎米中関係史でのアメリカの失敗とは?
◎なぜアメリカは中国に騙されてきたか?
◎中華帝国にとっての朝鮮半島とは何か?
◎なぜ米中衝突で日本が危険なのか?

【目次(抜粋)】
◎序 章 攻守を逆転させたトランプ
「中国は敵」/当選後1カ月の行動が結ぶ線/中国の「本丸」に攻め込んだ/ぬか喜びした中国/「エア電話会談」/「キッシンジャー路線」をゴミ箱に/「一つの中国」とは何か/台湾問題は中国にとっての「宗教問題」である…など

◎第1章 アメリカの中国幻想 清朝―国共内戦
商人としてアジアにやって来たアメリカ/賠償金を中国に「投資」/アメリカは中国を“侵略”したことがない/「中国人は世界でいちばん民主的」/中国は善玉、日本は悪玉というプロパガンダ/ハル・ノートは中国問題/アメリカの三つのアジア政策/中国腐敗の伝統を知らない/共産主義が中国に民主主義を?/「誰が中国を失ったか」…など

◎第2章 騙され続けたアメリカ 毛沢東―胡錦濤
毛沢東はなぜ反米路線に転じたか/なぜ中国は朝鮮戦争に参戦したか/毛沢東の決断と「中華思想」/中国王朝「滅びの法則」/中華帝国に重要な朝鮮の属国化/中華帝国とアメリカが初めて衝突/毛沢東は米ソ二大大国と対立/ピンポン外交と「昔のアメリカ」…など

◎第3章 本性を剥き出しにした中華帝国 (とう)小平―習近平
中華帝国史上初めての海の覇権/全力疾走で進める海洋覇権戦略/なぜ中国は南シナ海を狙うのか/「中国の夢」にはアメリカが邪魔/ご都合主義のアメリカへの提案/中国の挑発が始まった/紅衛兵式「戦闘外交」/アメリカの「中国封じ込め」戦略/対中国最前線への米軍再駐留/アメリカは「アジアから出て行け」…など

◎第4章 アメリカ帝国の逆襲 習近平vs.オバマ
習近平を先取りした米アジア回帰/4年間の凄まじい覇権争い/米中冷戦が始まった/伝統的な「連衡策」/「対中国合従」に惨敗した中国/ロシアの威を借りた習近平/「毛沢東の亡霊」/朝鮮戦争タブーを破った「反米路線」/裁定を「紙くず」と罵る意味/「お尻をたたくぞ」と中華思想…など

◎第5章 米中衝突で日本が危ない トランプvs.習近平
トランプVS.習近平/習近平は無為無策/中国最大の輸出先/中国経済は骨の髄まで絞られる/南シナ海では力でもって中国と戦う/トランプは北朝鮮問題でも動く/カードがなくなった習近平の危険性/日本周辺こそが「テスト」に使われる/2012年に飛び出した「琉球は中国領」/本気の「沖縄工作」…など

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ネタバレ

中国の歴史を深掘りすることで、何故米中が仲違いしたのかが書かれている本。

よく「米中は思想の違い(共産主義国と民主主義国という)があるから仲違いした」と言われることがありますが、本書はそもそもお互いの思想がどういったものなのかまで説明があったので理解が深まりました。

また、内容的に歴史の授業みたいだけど、接続詞が適度にあり、節をまたいでも重要なキーワードや考えが繰り返し登場していたのでとても読みやすかったです。

2017年出版でも十分活用できると感じます。

0
2021年12月17日

Posted by ブクログ

アメリカは中国幻想を持ち、騙され続けたという視点になるほどと思いました。

・中国を変える、中国を救う、中国をよくするという対中幻想と中国に対する同情がアメリカにあり騙され続けた原因。
・1912中華民国誕生ーアメリカはアジアにおける本物の民主主義国家の誕生だと思い込んだ。
・中華民国政府の腐敗した様子に失望し、中国共産党こそがが新たな希望の赤い星だと思い込んだ。
・共産党指導者は共産主義者であることを覆い隠しアメリカ人に媚びた。
・アメリカは国民党独裁を排して連立政権を樹立という考えだった。
・アメリカは国交正常化以降、騙されてきた。-中国は、私たちと同じような指導者が導いている。脆弱な中国を助けてやれば、中国はやがて民主的で平和的な大国となる。しかし中国は大国になっても、地域支配、ましてや世界支配を目論んだりしない。=タカ派の影響力を過小評価した。
・もしも蒋介石が共産党を打ち破っていたら親米国家になっており、ある程度は民主化していた可能性がある。国民党政府は戦後、新しい憲法を制定し民主主義国家になる戦略を持っていた。もしこれがうまくいってたら、中国がアメリカにとってのアジアのパートナーとなり、日本を復活させず押さえつけたであろう。
・毛沢東はなぜ反米路線に転じたか?=共産主義イデオロギー=アメリカは中共は本当の共産主義でないと誤解してた。

0
2017年08月21日

Posted by ブクログ

中国情勢について知りたくて読書。

中国は歴史的に周辺国とのパワーバランスで領土を拡張縮小してきた。現在は、チベット、ウイグル、内モンゴルも併合して中国大陸で興った国では歴史上最大規模らしい。ソ連は味方になったり、敵対しながらも、完全敵国になるまでにはいたらず、その他の敵対する周辺国が弱かったからだそうだ。

中国大陸の歴代国が行ってきた「中華秩序」の確立に中共政府は失敗している。朝鮮半島、ベトナム。

アメリカが中国を妄想に近い期待と親近感を持ち続けていたという話は別の本でも読んだことがある。

フランクリン・ルーズベルト元大統領は常軌を逸したほどの日本嫌いで中国(国民党政府)の熱烈な支援者だったことはよく知られている。

特に中国とロシアは対外的な野心が大きいので心底恐ろしい。世界中で諜報活動がもっとも活発なのが中国、ロシアそれと北朝鮮と言われる。

中国膨張は日本の国益を反するだけではなく、周辺国にも大きな悪影響をもたらすので利害が一致する国同士でしっかりとアライアンスを組んで対抗する必要がある。

さて、本書の指摘通り、現在、米中貿易戦争が勃発しつつある。トランプ大統領は今後どう動くのか。同盟国のために動く可能性は低そうなので、日本や各国は冷静に注視して自国の国益のために動かしていく必要がありそうだ。

中国問題は、中国人に日本や他の先進国へ行くだけでも国内で長年刷り込まれてきた洗脳が解ける人がいるので中国人の先進国への旅行は問題解決の1つになると思う。

中国政府はそれが分かっているので、中国より経済的に劣り、比較の法則で中共政府は素晴らしいと思わせるような国へ行って欲しいとあの手この手で誘導している。

理想国は、カンボジア、ラオス、北朝鮮、パキスタン。行かせたいけど、反中感情がすごいので伸び悩むのが、ベトナム、フィリピン、モンゴルなどだろうか。

2018年は朝鮮戦争終戦へ向けて動いているが、国連軍撤退縮小による沖縄が心配だ。もっと真剣に考える必要がある。

中国は平和国家だの中国が対外進行をするわけがないという妄想を口にする政治家や学者がいるが、1949年から中国が対外進行を何回しているが聞いてみるといい。

読書時間:約45分

0
2018年08月04日

Posted by ブクログ

今年の頭の方の本なんで、ちょっと現状と合わせてどうかなと思うところはあるが、アメリカは所詮歴史の浅い国で近代史観しか持ち合わせず、中華帝国の意味が理解できなかったことや、ゆえに何度も信じては裏切られてきたことや、そもそもんアジアのパートナーとして日本ではなく中国を考えていたなどの視点は得心。
このロクデモナイ文明圏に組み込まれたら、日本が大変なことになることも間違いない。

0
2017年10月08日

「社会・政治」ランキング