【感想・ネタバレ】バスルームのペペン 2のレビュー

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Posted by ブクログ

週刊ヤングジャンプで毎週、楽しみにしている一番の作品がこれ
福田秀先生の『ドロ刑』や、石川秀幸先生の『夜明け前の静』も、『ゴールデンカムイ』や『東京喰種:re』に迫るほどの成長を見せてくれてはいるが、やっぱり、癒してくれるのは、ペペンだ
『うしおととら』や『ルート3』のようなアクションこそないけど、人と妖怪の絆が深まっていく過程を、優しく、丁寧に描いてくれているのは、ポイントが高い
なので、週刊少年サンデーのクローザーを見事に果たしている、佐藤さつき先生の『妖怪ギガ』を毎週、楽しみにしている漫画読みは、ぜひ、こちらも読んでほしい
ペペンが可愛いってのが、最大の魅力であるのは間違いないが、その点をより輝かせているのが、深いストーリーであるのは忘れちゃいけない
理由は定かじゃないが、人に深い恨みを持ち、不信感の塊となっている翁から、人の悪い所だけを教えられたせいで、恐怖を抱いているペペンが、自分の眼と耳で感じ取る事で、本質に触れる。それにより、私達も人間社会の表と裏が視えてくる気になれる
また、年齢や立場が異なる人間の登場人物が、ペペンと絡む事により、そのキャラが抱えている悩みや、個性的な考えも光らせ、読み手に共感を抱かせるのも、川西先生に実力がある証拠だろう
妖怪にも、いろいろなタイプがいる、と思えるのも魅力の一つだ
この(2)では、ペペン以外の妖怪も登場し、面白さがより深まっている
ペペンのように人との友情が深まっていき、成長していく個体もいれば、あずきちのように自分の好きな事を仕事に出来て嬉しさを噛み締め、人と妖怪は仲良くやっていける、と考える個体もいる。かと思ったら、ナメのように、とことん人を見下しながらも、同じ妖怪は大切にする個体もいる。千差万別だ
今後、どんな妖怪が登場し、人間とどのような距離で接するのか、楽しみだ
先にも書いたが、ペペンが可愛いってのも大事だ
ノーマル(?)のペペンも可愛いが、フカァペペンやおめんペペン、きぜつペペンと言ったバリエーションがあるのも、キュンと来る。この(2)で私の一推しペペンは、あめよけペペンだ
ストーリーで、最もグッと来たのは、ペペンが貝の父・嵐さんと出逢い、自分の五感で捉え、頭で考え、心で受け入れるのが大事なんだ、と教えて貰い、人への興味を抱く、第14話「山の話」だ
次点が、ペペンが貝に恋するクラスメイト・相澤さんの背中を押す、第17話「結のワンダーランド」だ。また、ペペンとあずきちの二匹が一つのぬいぐるみを持ち主の元へ帰すべく奔走する第12話「回るランドリー」も、妖怪好きとしてはたまらんな
この台詞を引用に選んだのは、深いなぁ、と感じたので。目的地へ、最短距離で行けるに越した事は無い。けれど、人生ってのは、いつも、そう簡単じゃない。むしろ、回り道で進まなきゃいけない時の方が多いだろう。だからこそ、人は回り道を楽しめる心の暇を喪っちゃいけないんだろう、と思う。人それぞれだろうけど、私にとって、良い漫画こそが、遠回りで目的地に向かう道中のお供である

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2018年04月18日

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