あらすじ
居酒屋『ロミオとジュリエット』では皆、かの名作になぞらえながら、嘆き、怒り、酔っ払っている。そこで、いつもひとりで飲んでいる、「名探偵」の俺。今夜も謎を抱えた酔っぱらいが俺の前で、勝手に事件を語り出す――。デビュー長編『The unseen 見えない精霊』から15年、やっとカッパ・ワンの奇才が帰ってきた! “みえていたこと”の“真実”に気づいた時、心が癒やされている……不思議な魅力のミステリー。
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Posted by ブクログ
居酒屋「ロミオとジュリエット」にて繰り広げられる推理モノ。…推理モノ?
終わった事件の答え合わせのパターンで短編が組み合わせてある訳だが。
この居酒屋に訪れるお客さんはロミオとジュリエットに詳しい人が多いらしい。
その各々の異なる解釈のロミオとジュリエットが一方的に披露されるが、これが面白い。多分この小説のメインはこっち。
私は全くロミオとジュリエットを知らないので、自分の意見も無くとても興味深く読んだ。大人の都合に振り回された悲劇の恋の話なのかと思っていたら…。今のところ、ジュリエットの父親に同情している。
事件の推理はこの小説に於いては贅沢なアクセントと捉えたがそれは作者に失礼だろうか。
それから主人公の過去がぼんやり過ぎて想像もできずにいるのだが、続きがあるのだろうか。あれば読んでみたい。