あらすじ
しっかり立ち止まり、ぼんやり考えよう
芥川賞作家による讀賣新聞の人気連載が一冊の本に!
ありふれた日々の暮らしにスパイスを振りかける珠玉のエッセイ69選
【著者紹介】
藤原智美(ふじわら・ともみ)
1955年、福岡市生まれ。
フリーランスのライターを経て、90年に『王を撃て』で小説家としてデビュー。
『運転士』で第107回芥川賞受賞。
小説創作とともに『暴走老人!』『スマホ断食』などのノンフィクションを発表し、
新聞、雑誌でのエッセイ連載を行うなど、幅広く活躍する。
【目次より】
◆1章 披露宴2次会、新婦がひとりスマホに見入る。
◆2章 マドリードでもバンコクでも東京でも、
同じシャツを着ているって、世界中どうかしている。
◆3章 公衆電話ってなんですか、と二十歳の女子が真顔できく。
◆4章 昼下がりの駅からのどかさがなくなり、
傘を素振りするゴルフおやじも消えたこの頃。
◆5章 人混みが嫌いだといいつつ、群れのなかに加わる安心感。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
うんうんと頷いたり、クスッとしたり。
軽い気持ちで読んでいながらも、どこか心に残る感じが軽妙でとても良かったです。
「若者は頭が体におくれる。
中年は体が頭におくれる。
そのうち頭も体もおくれる。」
その見出しには、うーんなるほど!と唸りました。
Posted by ブクログ
スマホが生活の一部になってしまっていることに気づかされた。日々の風景でも何かしら変化があるかもしれないのに、それにも気づかないほどスマホの画面に夢中になってたんだな…スマホに頼りすぎて、ペンで文字を書くことでさえめんどくさくなっていたことに気づいた。スマホ以外のことにも関心をもてることがとても大事なんだなと思った。
Posted by ブクログ
タイトルから、スマホに依存する現代人に対して警鐘を鳴らすエッセイが多数並んでいるのかと思いましたが、現代射会というよりも日常生活の様々な場面を切り取ってコメントしている作品が多かったです。
特に、破損してしまった皿や急須の修復の過程で、職人や業者の温かい対応に心を打たれた様子は、読んでいて思わずほっこりとした気持ちになりました。
具体的にスマホ依存による弊害などは描かれていませんが、時代の流れとともにしだいに世の中全体のペースがせわしなくなってきたことに対する筆者の寂寥感は、「スマホ」や「ネット」がなく、公衆電話や固定電話ばかりだったころを(もちろん、その時代もそれ以前に比べれば慌ただしくはなっていたのでしょうが)少しだけでも知っている世代として、共感できる部分もありました。
個人的には、「犬の散歩にふさわしい正装とは?」という文章を、犬好きの同僚に薦めてみたいところです。