あらすじ
悪性新生物=「がん細胞」がもつ、恐ろしく巧妙で精緻な振る舞いや、驚きの成長戦略を解き明かす。「がん」という病の正体を細胞レベル、遺伝子レベルで追いつめ、その本質が理解できる本。
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Posted by ブクログ
癌について、専門書と一般書の間程度の専門性で、そのしくみと問題点を解説した書。
つまり、癌とは病気というよりむしろ、進化だということ。ひとつの特長ある病気と考えると、対応策となる薬、治療法がなぜどんどん効かなくなっていくか、手術後なぜ転移するのかがわかりにくかったけれど、進化と考えるとすっきりする。そのしくみが詳細に説明されている。
増殖する、という生命のテーゼそのものに、ガバナンスを効かせているのが人体。そのガバナンスより自分のテーゼを優先したがん細胞。
人体に備わったがんを防ぐガバナンス機構や、以下に癌が増殖しにくいかなどの解説も豊富。がん細胞から見た生き伸びるということについても言及している。
自分や身近な人が癌になるときに、正面から向かい合うための大事な書。