あらすじ
真っ直ぐ歩いている筈が、ふとしたはずみで迷い込む森羅万象の断層。どこかで見た、どこにもない風景。すぐそこにある、永遠に来ないその時。panpanyaの世界にようこそ。日記も併収。
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寝る前に読むといいと思う。
どこから自分の夢が始まったのかわからなる。
頭ぼわぼわでスポンジになった気分。
きっと人間が記憶している情報だけで街を再現すると、隙間だらけの穴だらけの、矛盾に溢れたとんでもない空間が爆誕するんだと思う。
panpanyaさんの漫画はそういう世界を描いているようにも見える。ずれて、歪んで、無いはずのものがあって、あるはずのものが無い世界。
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これはいい!めちゃくちゃいい。
日常に根差しながらもほんの少し奇妙で幻惑的で、panpanya先生ならではのアイロニカルな空気を堪能出来る作品集。
22篇収録。
まず目を惹いたのは〈地下行脚〉。発表2009年と収録されている他の作品と比べ際立って古い方の作品。
いつものおかっぱの女の子が表情に陰があるというか伏し目がちで、どことなく雰囲気も儚さをまとっており、違和感とはまた違うのだがとにかく別人格のような感じが不思議さに拍車をかける。
そもそも件の女の子(というかレギュラー登場キャラ全般に言える事だが)は元々パラレルな存在なので厳密には作品単位で別人であるのだが、それを抜きにしても〈地下行脚〉の彼女には特に’個’を感じた発見が面白かった。
この辺は星新一先生で云う’エヌ氏’システムにも通ずる部分だな、と独り納得。
今更かい!というツッコミが入りそうですが。
panpanya先生の単行本を読むのはこれで6冊目だが、作品の発表時期に注目したらまた何か気付きがあるのかもしれない。読み返してみよう。
個人的に本書収録作はどれもこれも大当たりばかりだったのだが〈備品〉のちょいホラーも良いし、〈MY LOST SOCK〉の、あのボロボロになった靴下の画の醸す妙な引力は堪らないし、たまたま時宜が重なったからかもだがウクライナ問題に対する日本人のスタンスとも相通ずる面があるように思えた。〈始末〉の着眼もスゲーよくわかる。p169のセリフの無い4コマ目、このたったひとコマだけから色々な感情を読み取る事が出来る。
星5じゃ足りない!
4刷
2022.4.8
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『グヤバノ・ホリデー』が良かったので、これも急いで買ってきた。
もう、魂持ってかれた。グヤバノより、良かった。
ちょっとつげ義春の名作(「ねじ式」「李さん一家」あたりの)に似ているところもある。不穏な雰囲気、真剣なのに間が抜けた感じ、でもあそこまでじっとりと陰湿な感じはしない。
日常と地続きの異世界に読み手も引っ張りこまれた。エドガル・ケレットの短編小説も思い出した。あれにもグァバ、出てきたなあ。内田百閒の短編にも似てる。「件」とか「山東京伝」とか、あのあたり。
絵も内容も素晴らしく、上質な幻想短編を読んだのと同じような満足感。
ほんとに凄い漫画家を見つけてしまった。(みんな知ってるのかもしれないが)
これ、翻訳して海外に紹介してもいいと思うが。
小川洋子の短編が海外でも評価されてるんだから、これもいけると思うけどな。『原稿零枚日記』にも似てるな。
つまり、私の好きな短編の要素が詰まってるんだと思う。
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panpanyaさんの単行本は「物」としての魅力が高く、この新刊は特に素晴らしい(表紙カバーを外して棚に並べておきたい本なんて初めてだ)。
変な街をてくてく歩く。オチはあったりなかったり。こういう漫画しか読めない気分っていう日が確かにある。
あと今さらだけどこの子、女の子だったのか。ボブヘアーの男の子だと勝手に思っていた。
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枕魚、欲しい。それからニューフィッシュ食べてみたい。新宿の地下にあるピザまんも食べてみたい。panpanyaはほんとに好き。少し歩けば昔へ戻る。不思議な世界はすぐそばにあるのかもしれない。
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panpanya先生の新刊短編集。だいたい今までのとそう変わりはないし「足摺り水族館」のとき受けた衝撃ももうないが、むしろそのことによる安定感が心地よさを与えている。
日常をみつめる視線を少しだけ角度を変えてみよう。世界はこんなにも曖昧だ。
あと案外ぶあつくて日記まで併収されていてわりとボリュームがある。それにカバーをはずしたみたところのデザインが非常に凝っているのでぜひ目で見て触れて確かめてみてほしい。こういうしかけは楽しい。
panpanya先生のことはたぶんずっとファンです。ずっとこんなちょうしの漫画でもずっと読んでいたいです。そんな魅力がある。
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「雰囲気漫画」のような表現はたいてい悪口として繰り出される訳ですが、創作において"良い雰囲気"を生み出すことほどに尊いことが一体どれほどあるでしょうか……。
◇
panpanya作品は初めて読んだけど、絵も物語も合間の日記文もこの人オンリーの良さを纏っていて、panpanyaさんの漫画が好き、という気持ちがとてもよく分かる。交通量調査を描いた「範疇」で爆笑してからはずっと虜で、本当に面白いなーと思いながら読み、読み終わった。他の単行本も買おうと思う。
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panpanya3冊目
日常からの異世界みたびです!
雨の日のカエル
地下のピザまん
魚が考えたニューフィッシュ
そして究極の枕 この枕は欲しい!
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panpanyaの漫画の中でこれが一番背表紙を取ったデザインがオシャレだと思ってる
pillow fishってなんだろうなーって思ってたけど、昔は魚を枕にしてたんか...枕なしでもいけるタイプの私にはあれだが、どんな触り心地なんだろう
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■枕魚 (2015年5月)3冊目
NEWTOWN
範疇
east side line
備品
記憶だけが町①
雨の日
MY LOST SOCK
地下行脚
二〇一四年八月一八日の夢
立ち方
素人と海
ニューフィッシュ
プレゼント
ゴミの呼び方
星を見る
始末
親切ラーメン
運命
恩の行方
街路樹のあとさき
記憶だけが町②
枕魚
「地下行脚」「ニューフィッシュ」いいな。
そして! カバーをはがすと、なんとお風呂のタイルのような表紙! ツルツルで溝に水垢が溜まっていて。
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そうか、ワカメだったのか(そんなばかな)。
「地下行脚」の主人公がいつになくか弱い乙女で萌えた。いやいつもの飄々とたくましい主人公も好きですけど。
「ニューフィッシュ」「親切ラーメン」「枕魚」が特に好き。日記は「舌」が好き。
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足摺り水族館、蟹に誘われて、に続く、楽園からの三作品目で、全部独立したお話を集めただけで表題はその中の一つの(最後の)タイトル。panpanyaさん描く漫画は秀逸なストーリーと、妄想でよくもまあこんなのが描けるものだと感心するような背景の、2つだと思ってて、ちょっとなんか、前作に比べるとそのストーリーの方は微妙
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"早速ですが、是非ご依頼したいことがあるのです。
新宿の地下に、変わったピザまんを売っているお店があるという噂を耳にしました。
ぜひ食してみたいのです!
入手して頂けたら謝礼ははずみます。"[p.64_地下行脚]
な、何が何だか……と思いながら読み終えた。
歩く方向に依ってとてもナチュラルに時代逆行したり、海豚や魚が二足歩行していたり……。背景と人物の線が違ってること、ぬうっとした顔の動物、シンプルな女の子と背景の薄ら怖さが印象に残った。
カバーめくってびっくりした。
Posted by ブクログ
すごくいい!と言えるほど自分は感性豊か?じゃないけど……
すごく独特で、終始ムムム顔で読んだ。どの話もでかいオチがついてるわけでもなく、「はあ、なるほど……」みたいなふんわりした感想しか出てこなかった。でもどことなく気味悪かったりなんとなく懐かしかったりする。初めての感覚。
ひとの話を聞いてる感じに近い。友だちとかの、こんなことあってさ、っていう話をへえーって聞いてる感じ。
「素人と海」がわかりやすくて面白い。好き。あと痛覚の話の日記が、印象的。確かになって。