あらすじ
最新の研究成果を盛り込んだ決定版
都会的、エレガント、手先が器用、涙もろい……。
無数の証言から浮かび上がる、史上最大のカリスマの素顔。
物腰が優雅でスマート、この上なく男前。計算が得意で経済に明るく実務能力も高い。人目をはばからず涙を流し、人の好き嫌いが激しく、神経がこまやかでストレスに悩まされる……。徳川将軍から園の芸妓まであらゆる人々の証言を読み込み、西郷をめぐる七つの謎を解きながら“大西郷”の実態を活写。数々の新視角を世に問うてきたトップランナーによる、誰にも書けなかった西郷論!
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Posted by ブクログ
理路整然とした文章で読みやすい!
1日で読破。構成もわかりやすく、西郷隆盛の人生を一通り知っている人であれば誰でも楽しめる1冊。
どの章も魅力的でわかりやすいけど、特に惹かれたのは西郷の7つの謎のうち、
何故早い段階で自決しなかったか、という点を
自分のために死んでくれる者がいることを無上の名誉だと思っていたのでは、という
筆者の見解。
正しいか正しくないかは置いといて、いやー面白いし正直、ありえない話ではない。
筆者が述べている通り、西郷隆盛はただ単なる豪胆なヒーローではなくて、繊細、人間嫌いな面もあり自分を好んでくれる人間には優しくする。
そう考えると、とんでもなく歪んだ自己肯定感としては、前述の見解もありえるんではないかなと。
その他の、
無類の犬好き=不器用さ、人間とはわかりえないなにかを分かち合っていた部分や、
写真嫌い=生きる、死ぬ、のために残しておくという考え方がなかった
など、他の謎にもなかなか面白い見解が多く、
本当に興味深い。
どこか人間くさく、不器用だけど愛らしい西郷が好かれていくのと対照的に、
自分の考えや意見を必ず優先される大久保が嫌われていったのも納得だし、もうイメージぴったり。
でもそれも西郷自身が、斉彬との出逢いや、二度の流島経験から変わっていったことを考えると、
やはり偉人も、様々な経験で変わっていくのだなということを実感させられます。
とてつもなく読みやすい。わかりやすい!1冊でした。