あらすじ
「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」。強烈なパラドックスを含むこの成句で有名な『歎異抄』。その一言一句から発せられる「毒」と「薬」は、時代や階層を超え、人々の魂を揺り動かしてきた。親鸞の純粋なる信仰を、直弟子唯円が大胆率直に記述した『歎異抄』の魅力とは何か。わが国でもっとも優れた宗教書であると絶賛する著者が、その真髄をあまさず語る。法然と親鸞、親鸞と唯円という師弟関係を通して浮かび上がる独自の世界。道徳の延長ではない宗教の本質をえぐり出す。また、『歎異抄』の聞書作者である唯円その人の出自をめぐり、梅原流の歴史観を披瀝する。これまで唯円は東国の出身であるとされていたが、数々の資料を通して、西国の出身ではないかと。そして親鸞と唯円の深い関係も、親鸞の晩年に京都で築かれたのではないかと、独自の推論を展開する。『歎異抄』成立の秘密に迫った興味深い洞察である。現代語訳と詳しい年表付きの決定版である。
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Posted by ブクログ
歎異抄の入門だったら絶対にこの本!
解説のほかに、原文・書き下し文・訳文がついててこの値段は絶対お得である!
親鸞の人間臭さとその葛藤がこの解説でよくかみしめられるようになっている。
すると、歎異抄本分もすらすらと頭の中に入ってくる。
かなりの名著だと思う。
Posted by ブクログ
西洋哲学の行き詰まりから、
その思想に基づいた近代とその果ての現代もまた行き詰る。
若い頃、西洋哲学を研究しており、、
それを日本に根付いた東洋的な思想で打開しよう、と考えた
梅原猛さんに興味を持ったので、
読みやすそうな本を選んで、読んでみました。
当時の僧の偽善を謗り、人間の持つ欲望を認めて、
どんな悪人も(だからこそ)、
とりあえず念仏を唱えときゃー救われるんだよと
語る親鸞は魅力ある人物だと感じました。
また法然、親鸞、「歎異抄」を書いた唯円の関係について
歴史的資料から梅原さんが思いめぐらせており面白いです。
「歎異抄」の中に書かれている親鸞が語るパラドックスは
どれもハッとさせられるようなものです。まぁ屁理屈っぽいけれどw
また折に触れて読み直そっと。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
「善人なをもて往生をとぐ、いはんや悪人をや」。
強烈なパラドックスを含むこの成句で有名な『歎異抄』。
その一言一句から発せられる「毒」と「薬」は、時代や階層をを超え、人々の魂を揺り動かしてきた。
親鸞の純粋なる信仰を、直弟子唯円が大胆率直に記述した『歎異抄』の魅力はと何か。
わが国で最も優れた宗教書であると絶賛する著者が、その真髄をあまさず語る。
法然と親鸞、親鸞と唯円という師弟関係を通して浮かび上がる独自の世界。
道徳の延長ではない宗教の本質を抉る。
原文と現代語訳、年表付きの決定版。
[ 目次 ]
第1章 『歎異抄』わが心の恋人
第2章 「専修念仏」への道
第3章 法然、親鸞、そして唯円
第4章 道徳の延長線上に宗教はない
第5章 弥陀を信じた親鸞の究極の境地
第6章 現代語訳『歎異抄』
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