あらすじ
あなたにも〈捨てられないTシャツ〉ありませんか? あるある! と思い浮かんだあなたも、あるかなあと思ったあなたにも読んでほしい。読めば誰もが心に思い当たる「なんだか捨てられないTシャツ」を70枚集めました。そのTシャツと写真に持ち主のエピソードを添えた、今一番おシャレでイケてる(?)“Tシャツ・カタログ”であるとともに、Tシャツという現代の〈戦闘服〉をめぐる“ファッション・ノンフィクション”でもある最強の1冊。 70名それぞれのTシャツにまつわるエピソードは、時に爆笑あり、涙あり、ものすんごーい共感あり……読み出したら止まらない面白さです。
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Posted by ブクログ
神保町のstacks bookstoreにて購入。誰しも一枚は持っていそうな、それでいて誰も被っていないであろうTシャツ。その思い出70人分のエピソードが詰まっている。自分も探せばきっとあるし、なんならこれから捨てられないTシャツも出てくるだろう。あとがきを読んで「著」ではなく「編」と書いていることになるほど。
Posted by ブクログ
今日会社の朝礼で、ドレスコードの徹底が周知されました。Tシャツが槍玉に上がっていました。
ドレスコードの根っこにあるものはなんだろうふと思い、この本を読みました。
Tシャツのカジュアルな造形は、思考と行動のキャンバス、選択の自由の象徴だと思いました。
故に会社という規律を求められる場所ではご法度やむなし扱いになるんだろうなあ。
それにしても、70枚のTシャツストーリーがとても面白かったです。
淡々と人生を振り返っている方ばかりですが、どのお話も個性的です(ぶっ飛んでいる方多々)
でもどの方も皆、一般人としての認識で言葉を綴っているように感じました。
この世は旨味を持った人々しかいない。そんな気持ちになれる本でした。
自分の自分による自分のためのTシャツストーリーを日記に書きたくなりました。
でも、断捨離して、Tシャツがほとんど残っていない。。
Posted by ブクログ
もう着ない、捨てても良いはずなのに捨てられないTシャツ。それは、忘れられない想い出があるから。
Tシャツの写真とその想い出を本人たちがつづったもの。
都築さんは、編者であって、Tシャツにアイロンをかけ写真を撮る係りで。文章はTシャツの持ち主達の書いたものをそのまま。
もともとメールマガジンのものだったこともあり、人により文章の長さが異なる。
すっきり2ページの人もいれば、延々と私小説短編のような人も。人それぞれ。
このばらつきが、自分語りについての熱量の違いを表していて面白い。とにかくづっと語りたい人、さらっとTシャツの話だけしたい人。
基本的には皆、人生を語っている。Tシャツはその人生の中の一部に登場する。Tシャツの話が付けたしのような人もいればメインにTシャツの話する人もいる。
誰でも小説は書ける。それは自分の人生を書けばよい。リアルにドラマがあるから。
というのがそのまま当てはまったような本。
皆、都築さんの知り合いなので、なんだかキャラ立ちした人が多い。それぞれの人生にへぇーとグイグイ惹きこまれる。
匿名であるというのも良いのだろう。有名な人も混じっているはずだが、匿名なので、正直に赤裸々に記載できる。
読後、都築さんのまえがきを読み直し、読む前はあまり響かなかったフレーズだったが、読み終わると、この本のねらいを的確に表しているなと思ったフレーズがあるので、それを以下に示す。
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ほとんどすべてのファッションは、製品になったときが完成形だ。どんなデザイナーの、どんな値段の服を着ているかで、ひとは判断される。着る人間によって、服のデザイン自体がかっこよく、かっこわるくなったりすることは、おおむねあり得ない。かっこよかったり、かっこわるかったりするのは、服ではなく人間のほうだから。
Tシャツだけはちがう。居酒屋で飲んでいて、となりに「島人(しまんちゅ)」なんてデカデカと書かれた色褪せTシャツ着用オヤジが座ったとする。あ~めんどくさそうと思うが、そのうち言葉を交わすようになって、オヤジがぼそぼそ語ってくれる人生劇場にすっかり魅せられて、ちょっと涙ぐんだりしているうちに、ダサいはずのTシャツまでかっこよくみえてくる-そういう体験が、君にもないだろうか。
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人生の話はほとんどの人が面白かったが、Tシャツとしていいなーと思えたのは少数。(もともと好きなTシャツという話ではなく、恥ずかしくて、本人たちもほとんど着たことないTシャツが多いので当然なんだけど)
でも、良いな、譲ってほしいなと思ったのは
・TheCars
・勝新太郎
・WWFのパンダ
・シャネルNo5
・乱一世
・タケオキクチ
乱一世のRUNDMCのバッタものは本当にかっこよいと思った。「RUN1ST」って表すのね~と感激。
Posted by ブクログ
Tシャツネタより自分語りのほうがずっと大きくなってしまっているのだが、ともかく面白い。Tシャツだからこそ。ちょっと普通に隣に住んでそうにないけれど、という話が次々と。読んじゃった、という感じ。
Posted by ブクログ
僕も持っている捨てられないTシャツ。
各々の思い出や人生が詰まっている。
とはいえ、もう少しTシャツをいろいろと見たかったなあ~というのと、Tシャツだけでは「Tokyo Style」の本棚のようにちらっと流して読んでしまう傾向があるかな。
Posted by ブクログ
想像していた以上に濃いストーリーというか、「事実は小説より奇なり」という言葉が似合う本だと思います。
実家帰りの電車の中で読んでいたのですが、ふと顔をあげて目に前で携帯をいじっている人や、横に立っている人も、この話の中でのストーリーのように、それぞれの人生があって..と考えてしまうほど、引き込まれてしまいます。
Posted by ブクログ
育児の合間にひと月くらいかけてチラ読みしていた。ら、目が離せないくらいディープな。
そもそも都築響一の周囲や都築響一に興味を持っている人が寄せているから、人選にある程度の偏りはあろう。
しかしどれもこれもまあ興味深い生き方だ。
生き方とTシャツが有機的に結びついていないものが最初は目に着いたが、だんだんどうでもよく思えてきた。
ところで同じ趣旨のことを岡田斗司夫がやっていて、うっわー品のないパクリだなーと思っていた。
この本を読み終える数日前に、村上春樹が「村上T」という本を出したのを知った。春樹も落ちたか……と思いきや……
最後の人物が。
そうかそうか思い返せば「東京するめクラブ」とかでお友達だもんね。
Posted by ブクログ
自分はなんて無難な人生なのかと思った。
比較的執筆者に建築家が多い気がする。自分ももう少し波乱万丈な社会人となってもよかったのかも。
あと女性はなぜか性的なエピソードが多い気がする。
誰が書いてるのか気になる。
Posted by ブクログ
ブックカフェでふと手に取ったところ、一気に読んでしまった。前から気になってたけど、読む機会がなかった。
Tシャツにまつわる話というよりは、持ち主が自分の人生を語る中でちらっとTシャツに触れる、という感じのスタイル。
著者はポール・オースターの「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」と同じような試みになったと書いていたが、僕は昔、中島らもがフリーペーパーか何かの取材で、軽い気持ちで近所の商店の人達に人生を語ってもらう企画を始めたが、あまりにも話を聴いた人の話が重たくてシャレで済まなくなった、と書いていたのを思い出した。
著者の周辺の人達に話を聴くことから始めているので、編集者とか業界人が多い。
最後のTシャツは村上春樹に間違いないが、冒頭は誰だろう?
一番こころに残ったのは2匹の猫のTシャツエピソードです。
Posted by ブクログ
tシャツ紹介本と言うよりは色んな人の人生について語られた一冊。
紹介されている人達の文章が上手すぎて引き込まれました。
tシャツはおまけ程度にしか語られていないので、もう少し紹介して欲しかったなとも思いました。
Posted by ブクログ
Tシャツ一枚からの話でしたが、生い立ち、家庭、愛着等々、色んな話が詰め込まれていた。大半は面白おかしく、愉快な話でしたが、何件かは切ない話もあり、切ない話の方が妙に心に残っている。 自分の生まれた家庭は普通の平凡(?)な家庭だったが、何故か感謝の気持ちが沸いてきた。と、同時に、このようなエピソードが思い付かない自分に少々苦笑いしか出てこない
Posted by ブクログ
Tシャツとほぼ関係ない人生譚。著者の人脈だけあってかなり大変な人が多いので、もしタイトルから思い出ほのぼのバナシを期待しているとかなりヤバい。
Posted by ブクログ
本当のことなのかそうじゃないのか判然としない話をする知り合いがいる。たとえば、と書きたいところだけれど、それを書くと、たぶん容易に誰だかわかってしまうので書かない。この本を読みながら考えていたのは、その人のこと。
まえがきにもあるように、この本はTシャツにまつわる思い出を持ち主に書いてもらった文章をまとめたものだ。だからきっと本当のこと。それは、同じくまえがきで引き合いに出されているポール・オースターによる『ナショナル・ストーリー・プロジェクト』、つまり「作り話のように聞こえる実話」。私はポール・オースターの『トゥルー・ストーリーズ』がとても好きなのだけれど、まさにそんな感じ。
Posted by ブクログ
社会人になってから2回の転職をして、3か所の編集事務所に勤め
た。事務所勤めのころはそれなりの服装で通勤していたが、フリー
になってからはどこへ行くにもジーンズにTシャツ。
外出着として着倒したら部屋着やパジャマ替わりに着る。そうし
て遂にボロボロになったら雑巾に。
そうやって、何十枚ものTシャツを捨てて来たのだが、どんなに
ボロになっても捨てられないものや、買ったまま袖を通すことも
出来ずに取ってあるTシャツがいくつかある。
襟ぐりが伸び切って穴もあいているのに捨てられないのは一時期
はまった「BOY LONDON」というブランドのTシャツ。ライブ
ハウス通いをしていた20代の頃、よく着ていたので思い出深い
のもあるんだよね。
このブランドの時計やバッグ、財布も愛用していたが、残っている
のは着れなくなったTシャツと財布だけ。財布は傷だらけになった
今でも愛用している。
袖を通すことが出来ずに箪笥の肥やしになっているはロシアの
プーチン大統領の写真がプリントされたTシャツだ。
プーチンTシャツは何枚か持ってはいるのだが、写真プリントだけに
恐れ多くて着用出来ない。しかもその写真が「プーチンさんの夏休み」
で上半身裸で釣りをしているのだもの。お土産でもらった品ではある
のだが、時々箪笥から取り出して眺めているだけ。
本書は有料メールマガジンに連載された記事をまとめたもの。様々な
業界の人の「捨てられないTシャツ」70枚が、Tシャツの思い出以外
にも持ち主の人生がダイジェストで語られている。
虐待の過去を語る人、一家離散の家族歴を語る人、引きこもり時代の
思い出をTシャツに見る人。70枚のTシャツには70人それぞれの生き
て来た道がある。
それにしても一様にサブカル色が濃い人たちばっかりだなぁ。サブ
カルに少々距離を置いている私としては食傷気味だった。
本書が取り上げているのはTシャツだけれど、他にも愛着があって
捨てられないモノってあると思うんだ。私の実家には20年以上使い
続けている扇風機がまだ現役で活躍している。
これは愛着ではなくて母曰く「最近の扇風機より涼しい」という
実用的な理由なんだけどね。