あらすじ
湯川と朝永の嫉妬と友情、川端受賞の陰にあった、谷崎や三島の名前、繰り返される日本メディアの「ハルキ狂想曲」。科学を愛し平和を希求した、偏屈者の発明家・ノーベルの命日、最高に権威ある賞が、物理、化学、医学、文学、経済、平和貢献で功績を挙げた人々や団体に授与される。だが、賞の舞台裏は思いのほか取り散らかっている。ノーベルが遺言した「人種・国籍を超えた人類への貢献」という理想とは裏腹に、国家や著名大学の名誉欲が交差し、政治利用も見え隠れする現実。多くの関係者の証言を聞き、無数の資料をめくった記者たちの、ノーベル賞取材の集大成。
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Posted by ブクログ
権威ある賞であると同時に多くの批判を巻き起こすノーベル賞の背景を知ることができ非常に興味深い。受賞の裏で、政府、大学など多くの組織・人が暗躍し、様々な政治的な駆け引きがされているのをを垣間見ることができる。ただ、経済学賞は間違ってはいないもののやや批判的な面に偏っているようにも思えた。
また、本邦においては様々な要因により国際的な力を示す指標のような位置づけになっていることや、受賞者に対する過度の信奉など、本邦におけるノーベル賞や受賞者のあり方の問題点にも触れられている。折にも2020年に、新型コロナウィルスに関しては専門外の山中先生が情報発信をしていることや、本庶先生が提言をしていたことが思い出された。
Posted by ブクログ
今年のノーベル賞の授賞式も終わりましたね。日本国内はノーベル文学賞を受賞した、カズオ・イシグロさんの話題で持ち切りでしたね。(元日本人?と表現していいんでしょうかね?笑)
と、こんなに盛り上がっているのは「日本」だけって知ってました?笑(正確には、日本と韓国と中国の東アジア勢だけ)
欧米では、ひとつのニュースとして扱われるくらいみたいです。なんで、日本では「ノーベル賞」をここまで一大イベントとして扱うのか?そこには国民性や欧米への劣等感?みたいなものが背景にあるようなのですが、そういうところも含めて丁寧な取材から浮き彫りになるノーベル賞の舞台裏を是非垣間見てください!