あらすじ
「私を癒やしてくれるのは君だけだ」アラブの王子アリーに求婚され、初めてを捧げた愛梨。弟王子のターリクにも激しく求められて……。関係を知り愛梨に強い執着を見せ始める兄と、情を深めていく弟の間で愛梨は懊悩する。「この体も心も私のものだ」媚薬で極限まで高められた性感。兄弟の肉塊で貫かれれば、狂おしい快楽に包まれる――。三人の愛が絡み合う淫らな執愛!
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Posted by ブクログ
良かったです。
最後まで興味を持って楽しく読めました。
正直、TLではお決まりのストーリーだなぁと思いつつ、読み始めました。
更に、日本女性が砂漠の国にいって、幼い頃に一緒に遊んだイケメン王子に再会する、、、という設定も今まで他作品で何度も読んだ記憶がありました。
幼馴染みという設定なのに、何故か話とそのことはまったく関係なく、伏線でも何でもなく終わりという場合もあり、一体、何のために「幼馴染み設定」が必要だったのか? と、首を傾げたこともあります。
このお話もそういうことのかなと思ったのですが、読みすすめていくにつれて、全然違うことが分かりました。
「幼馴染み」だったという設定が物語りの伏線として生きていて、
―なるほど、そういうことだったのか。
と、過去の出来事と現在がうまく符合するようにできています。
一人の女性に心奪われた美しき砂漠の王子たちと、彼等に翻弄されながらも優しさと前向きに生きる心を忘れないヒロインが織りなす物語りは、三角関係の恋を描いたものでもあります。
愛梨に異常なまでに執着し続け、彼女と弟のターリクまでをも自分に縛り付けようとした兄王子アリー。彼等の父国王も、かつて愛梨の叔母であった女性を同様に愛し束縛しようとした過去がありました。
その父と同じ轍を踏むまいと、ラスト、アリーは愛梨とターリクを自分から解きはなってやります。
愛し合っていた愛梨とターリクが二人で砂漠の国を去るシーンで物語りは幕を下ろします。
単なる砂漠の王子の執着愛を描いただけではなく、読み応えのある作品です。