あらすじ
レモン・トロツキー。輝く美貌の下に冷たい闘志を秘めたその青年は、暴政を極める銀河帝国打倒をめざす革命結社〈狂茶党〉の若きテロリスト。いま、レモンに党議長〈赤の女王〉直々の司令が下る――強大な星間武器商ギルド、ギャラクサームの理事〈冬〉を暗殺せよ。謎の人物〈冬〉を求め、一人エリクサー星に潜入したレモンを待ちうけるものは……。帝国に巣くう様々な勢力の織りなす陰謀と罠、特高警察や軍警の苛烈な追求、さらには党内部の軋轢にさらされつつ、苛酷な任務を遂行する若きテロリスト、レモンの姿を華麗な筆致で描く力作長篇!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
このほかも野阿作品は読んだがこの作品が一番瑞々しく印象深い。若き革命家レモン・トロツキー。赤の女王、帽子屋、カード型の銃。少女シャンブロウ、多重構造により季節を重ねた贅沢な館……銀河赤道祭と混じった気もしますが、とにかくクールなようで熱い主人公とスタイリッシュな描写に憧れた物語でした。(SF的考察では読んでいないので悪しからず)
Posted by ブクログ
革命結社・狂茶党のテロリスト、レモン・トロツキーを主人公とした中編2編。
異世界未来ともいえる舞台にテロリストを主人公としてその行動を描いている。テロリストの思想裏付けはくどいが、予想よりはるかにアクション寄りの冒険譚。きわめて漫画的で場面を想像しやすい。作者の現況を推察させる物語進行。美青年の主人公が過酷な状況に追い込まれ苛まれる様を愉しむ作品。
冬の城:狂茶党に入党間もないレモン・トロツキーは抜擢され、重要任務を帯びてエリクサー星へ。敵となるのは星間武器商ギルド・ギャラクサームを束ねる4人のひとり「冬」。政治志向を弁じる部分がくどい。根が純朴で素直、論理体系の裏付けもないテロリスト。となると殺戮が生き甲斐の殺人狂となる。他者の命を奪ってなんとも思わないのは絶対的自己肯定から始まるが、主人公レモンは基本がふわふわのファンタジックな性格。人斬り以蔵。未来殺戮アクション。
赤の女王は鏡の国のアリスの登場人物の名前だがQueen of Heartsと同レベル。レモンは首を刎ねておしまいと命令されてアリスに襲い掛かる兵隊レベル。
レモンが扱うはギャラクティカマグナム44。とりあえず「冬」の一件を片付けてロス・チャイルドハロルド郷から探索を依頼された「赤い楯」の謎を解く。手駒として準備したチームは使う機会がなく事後説明も無し。
武装音楽祭:時系列を含めて前章の続き。舞台は惑星ビドア。学園市カフィル、孤島ジナーザ。
学園都市のストライキ。懐かしさを感じる人がいるかもしれない昭和40年代学生運動へのオマージュ。今作も準備したチームは使う機会がなく、後からの説明も確認無しの付けたしレベル。
捕縛されて謎の施設へ。夢幻城。少年マーリファとの出会い。散々いじめられるも殺されない主人公。「赤い楯」の一件も続いている。
まどろっこしい精神論・世界観を外すと「風と木の詩」のライトSFとなる。枠外に論文を付けた少女コミックといった風体。登場人物の生い立ちなどのバックボーンが語られないので薄っぺらな物語となっている。
新装版のカバーイラストは萩尾望都。旧装丁はめるへんめーかー。