あらすじ
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「2枚の100円玉を投げたとき、両方とも表が出る確率はいくらでしょう?」この問いに対して、多くの小学生は「三分の一だよね」と答えますが、正解は四分の一。100円玉に区別をつけずに考えると(表表)(表裏)(裏裏)の3通りと思ってしまいますが、区別があると(表表)(表裏)(裏表)(裏裏)の4通りです。確率は、このように自らの解き方の間違いをきちんと把握することが大切。そのためとにかくイメージを丁寧に伝えることを心がけました。一方統計は、「標準偏差」「相関関数」などの基礎知識をしっかり身につけることに主眼を置きました。10代から大人まで楽しめる一冊です。代々木ゼミナール人気No.1数学講師による、もっともわかりやすい名講義です! ●確率の本質を言葉にすると ●確率の起源はわずか350年前 ●「場合の数」の考え方 ●確率の世界へ ●統計の役割
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
非常に平易な説明で分かりやすく、繰り返し読むことで、確率の知識と統計の基礎の理解が確実に深まると思う。
・正規曲線が直線X=mに関して対象になっているとき、標準偏差D(X)=σとしたときの確率変数Xの取る値が、m-σ≦X≦m+σにある確率は約0.68。2σの場合は約0.95。3σの場合は約0.997。
・偏差値=(得点-平均点)/標準偏差*10+50。偏差値70は上位約2%、偏差値60は上位役16%
Posted by ブクログ
成田悠輔氏がある動画でサイコロを3回振った時のゾロ目に何故人は心を動かされるのか、中高生に問いかけていたシーンがある。別に、2.3.5のような数字でも1.1.1と同じ確率であれば、特別性は無いのではないかと。現場に居合わせた人たちは納得させられたようだ。しかし、サイコロを一つずつ振るならそうだが、三つ一緒に振るなら、これは明らかな間違いだ。そして、この間違いに瞬時に気付けぬ人は、この本を読んだ方が良い。
少し補足する。サイコロを一つずつ振れば、最初にどの数字が出ても、その確率は均一だから、成田氏の発言は正しい。しかし、一度に振るなら2.3.5でも5.3.2でも3.2.5…でも1.1.1より複数パターンがあり得るわけで、明らかに1.1.1は特別だ。「順番に」と前置きがあるから、成田氏の発言は必ずしも間違いではないが、しかし、人間には、この経験則があるからゾロ目を特別視する〝直感”が備わっている。
本著は冒頭で踊る大捜査線で有名な「事件は会議室ではなくて現場で云々」を引く。理屈で考えるのだが、先ずは、パターンを書き出してみてはという思考プロセスの提案だろう。
直感的に騙されず、さらに、その直感が存在する事を前提に人や社会デザインのバイアスを見抜けなれば、危うい。そういう人は数値で計測するような基準では損をしている。しかし、その損こそが愛嬌だったり、他人への無意識的な利他、人望に繋がるという意味では、人間社会はよく出来ている。常に高確率を狙う人は、その計算ができない人より自ずと利己的に振る舞い、利己的な存在は、直感的に忌避される。
小金を稼ぐような成功者は、この社会におけるゾロ目なのかも知れない。ルール次第でゾロ目には特別性がなくても、経験則でゾロ目を特別視する。見せかけの権威主義が横行している。