【感想・ネタバレ】新版「生体解剖」事件 B29飛行士、医学実験の真相のレビュー

あらすじ

昭和20年5月、九州上空にて、海軍戦闘機「紫電改」の体当たりによって墜落したB29爆撃機の飛行士12名。彼らは大きなケガを負うこともなく、捕虜になった。しかし、戦局の悪化と度重なる空襲により、捕虜の処遇に困っていた西部軍司令部は、九州大学医学部OBの軍医に処置を一任する。やがて、飛行士たちのうち8名が九大の解剖室に運ばれ、「肺摘出」「心臓摘出」「脳の切開」といった医学実験の犠牲となった。しかも、生きたまま麻酔を打たれ、輸血に代わる「海水注射」も打たれながら……。人間の命を救う立場にある医者が、なぜ凄惨な行為を行ったのか。責任は軍部にあるのか、医者にあるのか。原爆で死んだことに偽装した事件が、なぜアメリカにばれたのか。そして戦犯裁判の結末は? 戦後、日米を震撼させた悲劇の真相を克明に追ったノンフィクション。昭和54年の発売とともに大反響を呼んだ名著が、戦後60年目に甦る!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

太平洋戦争が終る3ヶ月前、九州に墜落したB29爆撃機の飛行士が九州大学医学部の解剖室へ運ばれた。そこで生きたまま医学実験や解剖の犠牲となった。終戦間際の混乱の中、いったい誰が指示をしたのか、軍の命令に九州大学の医師たちはNOと言えなかったのか。それとも、医師たちも自分の研究の成果を上げるためにすすんで協力したのか。

この事件に関しては、遠藤周作の『海と毒薬』を以前読んだことがある。映画化されたものも観ている。しかし、その当時はどちらかというと“フィクション”という感覚のほうが強かった。その後いろいろな本を読み、太平洋戦争中の日本軍のしてきたことを知るようになった今、あらためてこの本を読むと“事実”に恐ろしくなる。

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2019年02月05日

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