【感想・ネタバレ】のぼせもんやけん―昭和三〇年代横浜~セールスマン時代のこと。のレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

おもしろかったあ。テレビで著者のインタビュー番組を見て、興味が湧いて読んでみたのだが、これは当たりだった。植木等の付き人をする前、役者になろうと上京したものの、仕事を転々としていた頃のことが、車のセールスマン時代を中心に語られている。

著者は、根っからの「のぼせもん」で、なんにでもすぐ熱中するタチだと自ら言う。その言葉通り、どこへ行ってもモーレツに働き、愛想を振りまき、うまく行ったり失敗したり、その様子はほとんどドラマかコントのようだ。とりわけ、トップセールスマンだったという横浜トヨペット時代は、強烈なエピソードがてんこ盛り。

あとがきに、これは小説で、事実を脚色しているとあるが、おそらくほぼこの通りのことがあったのだろう。人々の暮らしが大きく変わっていく時代を全力疾走していく姿が、まるで映画を観るように鮮やかだ。

一番心に残るのは、どこでも多くの人に愛される著者のキャラクターのユニークさだ。笑っていてもどこか泣いているように見える、あの独特な表情は、芸人となる前から、周りの人を惹きつけずにはおかなかったのだろう。

テレビのインタビューでは、「師匠」植木等を語る姿が実に良かった。その語りから、師匠に対して全幅の信頼と尊敬を捧げてやまないことが、ひしひしと伝わってきた。本書には続きがあって、その付き人時代のことが書かれているそうだ。読むのが楽しみだ。

0
2016年09月27日

Posted by ブクログ

カーセールス。
昭和の1ページの切り取り。
小松政夫。
別段、感傷気分に浸るつもりではなかったが、
昭和という時代を味わい、ある独りの人生を
見せてくれる一冊。それでいて、重たくない。
それこそが、戦後、なのかもしれない。と思った。

0
2009年10月04日

「小説」ランキング