【感想・ネタバレ】米中戦争前夜―――新旧大国を衝突させる歴史の法則と回避のシナリオのレビュー

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Posted by ブクログ

ネタバレ

大局的な視点で国際政治を考え国益を守ることの重要性を考えさせられる。足元の貿易戦争をことごとく予見している。中国が世界一の大国になることが不可避の中(PPPベースGDPでは既に米国を上回る)、米国、日本はどう振る舞うべきか。数十年、数百年単位での戦略を考える中国の凄み。

・トゥキディデスの罠。アテネの台頭とスパルタの不安。新興国が覇権国に取って代わろうとした16件のうち12件が戦争になった。
・2011〜2013年に中国が製造・使用したセメントの量は、アメリカが20世紀全体で製造・使用した量より多かった。
・習近平の野望の中核には、中国を世界の中心と見なす中華文明の伝統的な考え方がある。中国語で中国とは、真ん中にある王国という意味だ。真ん中にあるとは、天と地の間にあるすべての中心という意味だ。
・20世紀の初めに西半球からイギリスが撤退したように、アジアに超大国が生まれた以上、アメリカもアジアから去るべきだというのだ。

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2019年01月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【222冊目】ペロポネソス戦争が起こったときのように、新興国と覇権国は戦争に至る場合がある。これを「トゥキディデスの罠」と呼び、アメリカと中国もこの罠に陥って戦争になるおそれがあると指摘した本。

 新興国は、自らの成長の勢いに比べると自らの主張が覇権国や国際社会に受け入れられることが少ないことから、そうした上京を作出しているのは覇権国が既存の秩序に固執しすぎていると考える。覇権国は、新興国が自らの権威と現在の秩序に挑戦しようと考える。
 相互不信に陥った両国は、スパルタとアテネのように、小さなボタンの掛け違えから戦争にまで突き進んでいく、というもの。これを、罠にはまった第一次世界大戦や、逆に罠を回避したイギリスとアメリカの例を引きながら、現代の米中関係を理解しようとする本。

 「トゥキディデスの罠」の理論的解説は、過去の紛争事例をその観点から解き明かした記述が多いが、これが納得させられることが多い。読んでいて面白かった。
 他方、米中関係にこれが当てはまるかというと…うーん、イマイチ説得力に欠けるような気はしたかな?でも、「第8章 戦争に至る道程」は、米中のボタンの掛け違えが戦争にまで発展する5つのシナリオを簡潔に検討しており、これがまた実際にあり得そうなものだったので興味深かった。

・ 誤字が多い。2015年の特許出願件数の2位が日本だと言った数行後ろで、2位はアメリカだと書いてある。更に、そこについた注も間違ってる。中国の特許出願件数は、次点以下のアメリカ・中国・韓国を合算したよりも多いとかいてある。これ、本当に文章校正してる?

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2018年02月20日

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