あらすじ
少年に身をやつした彼女が恋した、黒い瞳の気高きシーク。
オーストラリアの難民収容所で、ハニは身を守るため少年のふりをしてつらい暮らしに耐えていた。ほんとうの名前も、自分が何者なのかもわからない。ある日、走ってきた車にあやうく轢かれかけ倒れたハニは、中から現れた黒い瞳の堂々たる体躯の男性を見て、息をのんだ。端整で誇り高い顔。この辺では見慣れない白い外衣とかぶりもの――きっと高貴な身分の人なのだろう。私には縁のない世界の。ハニは病院へ行こうという彼の言葉に返事もせず、その場を立ち去った。後日シャリフと名乗る彼が再び現れ、ハニに伝えたいことがあると言う。まさかこの人は……わたしが女性だと気づいているの?
■様々な時代の選りすぐりのディザイアの話題作をお贈りする“ハーレクイン・ディザイア傑作選”。今作は、シークがヒーローの物語で人気作家となった、アレキサンドラ・セラーズです。シャリフがハニに面会に来た、驚くべき理由とは?
*本書は、ハーレクイン・ディザイアから既に配信されている作品のハーレクイン・ディザイア傑作選となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
面白い-というよりは、とても興味ある内容でした。
先に他の方の読者レビューを見て、ロマンスの王道ものとは少し違うというのは知っていましたが、やはり、その通りでした。
ヒロインのシャキラはとある砂漠の国のプリンセスでしたが、幼い頃、身を守るために男装して育てられました。
しかも、実の家族から引き離され、難民収容所を転々として、言うに及ばない苦労をしたのです。
まず、難民収容所が舞台の一つであること、そこで暮らす人々の悲惨な生活の様子、そういったことがリアルに丁寧に描写されているところが良いと思います。
更に、ヒーローが「見守る男」であること。
シャキラとヒーローの聖杯番シャリフとの出会いの場面は、劇的です。男装していたシャキラが通りすがりの男から「スリ」をしようとしていた時、丁度シャリフが通りかかったのです。
ハーレのヒーローでシークとくれば、「俺様、強引」という印象が強いものだけど、このヒーローは違いました。
ずっと自分の感情は抑えていて、一歩離れた場所からヒロインを見守る立場です。あらゆる意味で、今まで読んだハーレの作品とは違うような気がしました。
まさに、自分の感情をコントールできる大人の男ですね。