あらすじ
経済自由主義の終焉が迫っている──19世紀のドイツで活躍した政治経済学者フリードリヒ・リストの理論をたどりながら、机上の空論ではない実践的な「国民経済学」の本質をつまびらかにし、経済成長の原動力を明らかにする渾身の意欲作。
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Posted by ブクログ
自由貿易というドグマは、なぜかくも強い影響力をもつのか。なぜ、それを疑うことすら許されないのか。
この謎を解く鍵となるのが、ドイツの政治経済学者フリードリヒ・リストである。
本書の目的は、このリストという人物の理論と実践を、彼の生涯とともに解釈することによって、我々が自由貿易というドグマから自由になることができない根本的な原因を明らかにすることである。
自由貿易を正当化する「リカードの定理」の、現実とかけはなれた条件について、特に、収穫逓増を捨象した主流派経済学を批判した。ポール・ローマーが先鞭をつけた「新成長理論」についても、各産業部門間の分業と結合が引き起こす収穫逓増という一般的な現象を論じたヤングの理論とはかなり異なるもので、技術進歩が経済社会から内生するメカニズムを説明したことにはならないと説明し、主流派経済学の分析枠組みに則り、数理モデルによる定式化を容易にするために、さまざまな限定的な前提を置き、その結果、本来の内生的な経済成長のメカニズムの解明を犠牲にしてしまった。
マキャヴェリの世界観である、「世界とは、循々と変転してやむことのない動態である。社会、とりわけ国家というものは、隆興しつつあるか、衰亡しつつあるかのいずれかであって、均衡点で静止し続けるということはない」というもの、
また、マキャヴェリ、リストが重要視したのは、「見たことも聞いたこともない共和国や君主国を想像の中で描くことを戒め、人間いかに生きるべきか、よりも人の実際の生き方を追求しようとした」、ことが印象的だった。
Posted by ブクログ
フリードリヒ・リスト。ドイツの経済学者。フランス革命の1789年にドイツで生まれ、1846年に自ら命を絶つことになる。
理論よりも、実践と実証に重きをおき、マキャベリの政治観に感銘を受ける。当時、主流であった近代合流主義の一派から拒絶されることになる。ヨーロッパに、資本主義的な考え方が広まっていく時代。合理主義の元に拡張を続ける世界。リストは国家が闇雲に拡張するよりも、基礎的な体力を付けることが大事だと訴えてきた。そこに現代の行きすぎた自由貿易への処方箋があるのではとも思う。
今も昔も既得権益の壁を越えることは容易ではないのですね。見方が変われば、それぞれに正義はあるのだろうけど。
国家は衰退するか、繁栄するかのどちらかであり、現状維持はあり得ないと言う言葉が印象に残りました。やっぱり選挙権を行使することは大切だと実感。