あらすじ
200年後の世界で、薬師としてお店を開いた、錬金術師の少女・マリエラ。
マリエラと過ごすうちに、少しずつ自分を取り戻していく、奴隷の青年・ジーク。
のんびりと穏やかな日々の裏では、街を、人々の暮らしを守るべく迷宮討伐軍が迷宮に挑む。
失われたはずの「錬金術師」の存在に気付いた「黒鉄の輸送隊」副隊長・マルローの衝撃!?
正体不明の女性Aランカー冒険者「雷帝エルシー」の襲来!?
そして、200年の時に埋もれた錬金術師たちの秘密が明らかとなる!
大人気シリーズ待望の2巻!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
200年の長い眠りから覚めた錬金術師。
と聞けばすっごくかっこいい主人公……なはず。
錬金術以外は普通の……いやむしろ食欲以外なにかが足りない愛すべきキャラクターです。
微少女とはよく言ったものだ。
迷宮都市では現れないはずの錬金術師。
自分の存在の稀有さに無自覚であり、
天然さんで嫌味がひとつもないので、全力で応援したくなるんですよね。
迷宮都市で出会った人たちもきっとそんな気持ちなのだと思います。
その人たちのおかげもあって、
マリエラは自分の最大の持ち味であるポーションづくりを続けながらも
迷宮都市で静かに笑顔が溢れる暮らしをしています。
スタンピードから200年。
マリエラが蘇生した先の未来のその地には新しい錬金術師がいなかった。
ポーションは使用にいろいろな制限があり、なおかつ劣化していく。
錬金術師がいないのだから、新しく作られるはずもない。
しかし迷宮を斃すための人員は有限で、
命さえ落とさなければ。
どうにか繋ぎ留めて生かさなくては。
そんな過酷な歴史から、
錬金術師の家系であるアグウィナス家が選んだ道。
迷宮都市の、そんな悲しい歴史が明るみに出る巻です。
Posted by ブクログ
マリエラの薬屋が順調で、客ばかりでなくいろいろな人物がたむろする居心地のいい場所になっていく。この都市の錬金術師の有力家のキャロライン・アグウィナスとも仲良くなる。マリエラ本人は極めてのほほんと過ごしているようだが、背後ではシューゼンワルド伯爵家の迷宮討伐が進み、アグウィナスのとんでもない実情も明らかになっていく。マリエラはとんでもなくこの都市では重要な位置を占めているのだが、さてさてどうなっていくのか。分厚い一冊をじっくりと読まさせてくれる。