【感想・ネタバレ】改訂版 可能世界の哲学 「存在」と「自己」を考えるのレビュー

あらすじ

究極の疑問の答えがここにある――

最強の思考ツール「可能世界」を徹底的に解説した名著、ついに文庫化!

数学が嫌いだから分析哲学も可能世界論も敬遠しておこう、というのは、だから実にもったいない話なのです。分析哲学は思想の純文学、クラシック音楽のようなものです。哲学史を徹底的に軽んじながら、実はソクラテス以来の「概念分析」「言語分析」の思考法をそのまま受け継いだ、最も論争的でフェアな、正統派スタイルの哲学が分析哲学なのです。手軽なニューエイジ思想やポップ哲学と戯れることで文学的空想や宗教的法悦に一挙に飛躍しようとするよりも、一歩一歩の地味かつ地道な論証を積み重ねていった方がそうした超越的境地へ深く入り込める。そういった真実に、読者が気づく手助けをすることが本書の目的でもあります。(「序」より)

本書は『可能世界の哲学 「存在」と「自己」を考える』(NHKブックス・1997年2月)の改訂版です。

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Posted by ブクログ

多宇宙と輪廻転生―人間原理のパラドクスからの流れで。扱っている内容は知りたいものばかりだけど、やはりというか難しく理解が追いつかない。
・1つの可能性世界からあなたの存在が消え去ったとしても、別の無数の可能世界においてあなたそっくりの分身-あなたと同じ記憶、性格、趣味を持った人間-は絶えず存在し続けているわけですから。輪廻転生の論理学版というか、様相実在論こそが死の恐怖を乗り越える手がかりを与える、ともいえそうです。
・多世界解釈では実際「われわれ誰もが主観的に死ぬことがない」という、一種の生まれ変わり思想(量子不死)が真面目に議論されている
・あなたがある世界に存在することは必然的事実であることになります。これはもちろんあたなだけでなくあらゆる人、個体についても言えるでしょう。どんな個体であれ、ある世界には具体化しない個体ですら、必ずどこかには具体化していなければならないというわけです。可能世界の数は、それほどに膨大なのです。

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2017年07月30日

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