【感想・ネタバレ】ギネスの哲学 ― 地域を愛し、世界から愛される企業の250年のレビュー

あらすじ

「儲けたければ、まわりを儲けさせる人であれ」
――アイルランド初の日曜学校、地域社会の教育と貧困削減、デートまで補助する福利厚生――
熱狂的なファンを惹きつけるブランド確立の裏には
創業者から受け継がれた社会変革への意志が存在していた!


18世紀にアーサー・ギネスが興したベンチャーは、世界トップクラスの大企業に成長する過程で数々の社会貢献を行い、多くの人々を救っていた。その背景にあった創業者一族の経営理念、そして成功と挫折とは。ビール・ビジネスと信仰の数奇な運命をたどる壮大なヒストリー。

ギネスにまつわる驚きの事実
◆世界中で毎日消費されるギネスは1000万杯以上。世界150カ国で販売
◆イギリス初のテレビCMを流した。
◆1759年の創業時、土地の賃貸期間は9000年。
◆創始者アーサーはアイルランド最初の日曜学校を開き、決闘制度に反対し、貧困層向け病院の経営委員を務めた。
◆1890年代、ギネス家の一人ルパートは結婚後夫婦でスラム街に引越し、貧困層を支援した。
◆1900年、ギネスの主任医師はダブリンの家庭数千軒を自ら訪問し、その調査結果をもとに会社は、疾病、不衛生、啓蒙対策を講じた。この事業はアイルランド赤十字社創設へとつながった。
◆1920年代のギネスの従業員が保証されていたもの。歯科を含む医療サービス、マッサージ、読書室、一部会社負担の食事、全額会社負担の年金、葬儀費用の補助、教育補助、スポーツ施設、無料のコンサート・講演・娯楽、それに一日二パイントまでの無料のギネス。独身社員にはデートの補助も!

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Posted by ブクログ

この本は、ビールという切り口から読んでいたけど、貧困問題という切り口で読んでも、非常に面白い。あと、社会活動の観点からも。

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2012年12月12日

Posted by ブクログ

これまで何気なく飲んでいたギネスだが、その物語があると友人から聞き、手に取ってみた。
1759年に作り始めてから商品自体は変更していないこと、複数種類のポーターを造り消費地にあわせてブレンドを変えていること、1950年代に入るまで広告宣伝をしてこなかったこと、ギネス社の福利厚生は当時の他社をしのぐものであったこと、など知らないことが多くあった。
日本国内のビールは粗製濫造とは言わないが、出ては消えるものが多い中で、歴史を語れるものが少ない。そう考えると、ギネスは世界でも数少ない語れるビールなのだと思う。ただ、それを多くの人が知らないというのも、ギネスらしいのかもしれない。
多角化から合併によるアルコール集中というのも、時代の流れだと思うが、ギネス一族で時機に対応できる経営者を輩出し続けたことは素晴らしいことだ。

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2015年05月05日

Posted by ブクログ

創業から250年。ギネスビールがいつまでも愛される理由を歴史から紐解く。
ビールが歴史上果たしてきた役割も分かって雑学としても面白い。

書かれている内容は総じて古いが、
現在のビジネスにも参考にできる箇所が随所にある内容。
一番印象的なのはESを高めたことが、CS向上に繋がった辺りであろうか。
く経営を続けてきた企業の神髄がここにあると感じる。

しかし、かなりコアな内容であり、ギネスビールに愛着のある人向け。

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2012年10月23日

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