あらすじ
海辺にそびえる壮麗な屋敷。そこは愛の巣か、それとも牢獄か――秘密を抱えた男と記憶をなくした女の、絡み合う愛。
目覚めたとき彼女は病室のベッドの上にいた。なぜこんな場所にいるのか。自分の名前すら思い出せない――そこに現れたのは、ルイスという長身で端整な顔つきの富豪だった。「きみの名前はアナベル。ぼくの妻だ」話によれば彼女はクルーザーの事故に巻きこまれ、一命を取り留めこの病院に運ばれたのだという。そうして記憶が戻らないまま退院を迎えたアナベルは“夫”に言われるがまま、カリブ海を望む豪奢な屋敷へ連れていかれる。でも……本当にこの人はわたしの夫なの? アナベルは言いようのない不安と違和感を拭えずにいた。
感情タグBEST3
匿名
記憶喪失ものでは随一
女性主人公が記憶喪失で覚えていない夫に引き取られ、、という設定の物語は幾つも読んでいますが、今まででもっとも面白く読んだ作品です。
過去読んだものと同様に夫婦の再生が重要な軸になっていますが、物語の構成がとても良くできていて文章も単純でなく主な登場人物二人の心情にとても引きこまれました。
祖先(?)とのシンクロについては好みが分かれるところかもしれませんが、あまりしつこく描かれていないのでそういう神秘的な(?)部分が苦手な私でもそれほど不自然には感じませんでした。
バーバラ・フェイスさんは作家としての力量をとても感じるので、掲載されている作品が少なくて残念。