【感想・ネタバレ】習近平の中国 百年の夢と現実のレビュー

あらすじ

2017年秋の党大会で、折り返し点を迎える習近平政権。経済成長が鈍化し、共産党がその支配の正統性を問われるなか就任した習は、外交・内政で豪腕をふるい、党の「核心」と称揚される存在にのぼりつめた。だが、言論が統制され、ライバルも不在の一強体制には危うさも潜む。結党・建国百年に向け、習が見つめるものはなにか。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

 「習近平は毛沢東になれるのか」(室井秀太郎著、原書房)からの流れ読み。
 本書は前著と同様、著者が中国駐在経験をもとに記した本である。どちらかというと本書の内容の方が整然として頭の整理には良いと思う。
 中国共産党の「核心」として、毛沢東、鄧小平、江沢民に続き習近平は4人目に位置付けられた。
 習近平は、若い頃、毛沢東の上山下郷(下放)で農村の暮らしを学び、また、地方書記時代には米国アイオア州でホームステイを経験している。地方幹部として実力を積み上げ、農村の暮らしや米国の発展を知り、また欧米や日本との対立と混乱という歴史を背景に、習近平の中華民族を復興させるという強固な意思を読み取ることができる。海洋強国を目指したスプラトリー諸島(南沙諸島)での動向や一帯一路政策、市場経済と社会主義の両立への挑戦は、中華民族の復興(中国100年の夢)に向けた取組に他ならない。
 ただし習近平が「核心」とされたことは、「反腐敗」や「言論統制」という国内の規律保持もブレずにしっかり進めたことが大きいのではないかと思われる。
 この先、トゥキディデスの罠による最悪の事態にならないことを祈りたい。

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2019年02月11日

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