【感想・ネタバレ】トキメキ夢文庫 ノートルダム・ド・パリのレビュー

あらすじ

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舞台は、中世のフランス・パリ。ノートルダム大聖堂の鐘番カジモドは、みにくい容姿のためにだれからも愛されず、彫像が友人で鐘が恋人だった。ある日、彼はジプシーの踊り子エスメラルダと出会い、恋に落ちる…。絶世の美女エスメラルダを取りまく人びとの、さまざまな愛を描いた感動の大作を、お子さんにも読みやすいように編集しました。
物語の冒頭やハイライトには漫画を取り入れ、挿し絵も豊富に盛り込んでいます。巻頭にはあらすじ漫画つき。時代背景や物語の舞台について写真を交えた解説もあり、さらに理解を深めます。
小学6年生までに学習する漢字を使用(すべてふりがな付き)。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

原作小説を読んだ人間の感想です。原作を2度読むのがしんどいと思った人間がこの本を買いました。
あの長くて小難しいノートルダム・ド・パリを子供向け、女の子向けに圧縮したもの。なので、作者特有の長ったらしい話とかないし、キャラの心情もめっちゃ掘り下げていません。
女の子向けのせいか、エスメラルダに特に焦点を当てているように感じられます。
そしてところどころマンガも挟んであるので、読書初心者にもまあまあ優しい設定。物語の時代背景も書いてあるので、より自然と読みやすい。


が、しかしあのボリュームを圧縮したこともあって、もうちょっと掘り下げたほうが、説明あったほうがいいよね?的なことはいっぱいあります。

前半のフェビュスは女ったらしというよりは、身分とかのため仕方なく結婚しなくちゃいけないイケメンと書かれてるし(が、後半でやはり嫌な男だと判明して心の中で万歳する)、フロロ神父のエスメラルダに対する葛藤はそこまで掘り下げてないんで、同情不可能なストーカーおっさんにも見えるし、カジモドの描写があまりにも少ないとも見えるし……。

やはりエスメラルダに焦点を当てているので、彼女がジプシーであり身分が低いというせいで市民からいじめられ、挙句の果てに冤罪で死んでしまうという悲劇を演出している感じがします。彼女が今の時代に生きていたら、そんなことなく自由恋愛してフェビュスと結ばれていたかもしれない~みたいな体で。カジモドもカジモドで醜い容姿のために市民にいじめられ、あろうことかエスメラルダにも振り向いてもらえない(酷い女だよね)、現代だったらまだ何とかなったかも、という体で。

小さい子にはそういう読み方の方がラクなのかもしれませんが、やはりこの小説の醍醐味は、「4人が自分勝手に恋しながらも、その恋に立ちはだかる障害を乗り越えようともがく人間模様を楽しむ」感じの話だと勝手に解釈しているので、人種や容姿が前面に出るとディズニー映画と同じじゃないかと思ってしまうところがあります。


でもあのごんぶとの原作を挑戦する前に、もしくは原作のおおまかなストーリー忘れたってときに読むのはいいかもしれません。
マンガもグランゴワールがコミカルな演出をしてくれるので。

超個人的ですが、原作でハゲかかってると描写されてるフロロ神父ですが、この本ではハゲてません。白髪交じりの渋いおじさんです。
よっしゃ。

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2020年05月11日

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