あらすじ
生活を立て直すため、大阪・堺市にある夫の実家「島市古道具商」へ引越し、義父・市蔵と同居をすることになった透子一家。14年間、社会に出ていなかった透子は、慣れない店暮らしに失敗ばかり。それでも道具や集う客の想いに触れて、透子もいつしか人生を見つめ直し始め――。どこか欠けた人たちの瑕も、丸ごと受け入れてくれる場所。古い町家で紡がれる、モノと想いの人情物語。
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Posted by ブクログ
堺の道具屋さんを舞台にした小説。話が出来すぎてるのはあるけど、泣いてしまった。
市蔵という店主の島市古道具商、息子の壮市は高校の先生で両親を亡くした教え子で主人公の透子と結婚するんだけど、メンタルを病んで島市に帰る。そこで男やもめの薮内さんと表千家の雪野先生の茶事に参加して子どもがシールを貼った香合で想いを伝えさせたり、雪野先生が整理する空き家に手伝いに行きそこで隠れキリシタンの痕跡を見つけ、父親がいない息子の友だち雄大と金継の話とか、最後は立ち退きを求められた家と縁のあった画家がそこに住んでいた証拠が子どもが破った襖の反故紙をきっかけにわかり、有形文化財として人が集まるようになりめでたしめでたしと。
一冊を通じて親子関係や夫婦関係について描かれていて、いろいろ考えさせられた。
Posted by ブクログ
古い町家の古道具商。昭和の雰囲気が溢れる話でした。ご近所付き合いも成立していてとてもいいな、と思うけれど、現実になったらきっとすごく大変。父の実家が昔、築百年を軽く超す農家で玄関から裏口まで土間で、囲炉裏もあった。暮らすのにはすごく不便だけど人が集まりやすい家ではあったと思う。それを羨ましいと思ったりもするけどねえ。そんな昔を思い出させてくれるよいお話でした。
Posted by ブクログ
義父が古道具商を営む町屋へ引っ越した透子と、家族と近しいひとびとの物語。親子関係、片親、ストレスからの病気、我儘な子供と叱れない大人……現代あるあるながら目をそらしておきたくなるテーマを割と突っ込んで描いている。その割に読んでいて気が重くなりすぎないのは、町屋の落ち着いた空気感と、義父の市蔵のブレのなさのせいかと思う。
最初に阪堺電車の描写があるのが嬉しかった。懐かしさに胸をときめかせながら、物語の世界に入っていけた。
Posted by ブクログ
なんとなく良さそうだと思い、書店で手に取った作品。作者のことは全く知らなかった。大当たりだったと思う。夫が仕事をやめたことをきっかけにして、義父の古道具屋で暮らすようになった透子が主人公の物語。古道具が持っている落ち着いた雰囲気が書き込まれていて、読んでいて心が和んでくる。古道具をめぐる薀蓄も面白い。割れてしまった器を継ぎ合せて新しい器を作る呼び継ぎの技法のことなどは、全く知らなかったので、新鮮な気がした。このような古道具が人間と密接に結びついて、人間の心まで変えていくところが面白い。主人公の透子も古道具の仕事をするようになって、少しずつ成長していく。ぎくしゃくしていた夫との仲が、古道具屋での生活を通して、修復されていくところが感動的。この物語の一番の読みどころだと思う。本当に素晴らしい作品だ。限りなく五つ星に近い四つ星。
Posted by ブクログ
第一話 男やもめのお点前 ~香合に思いを込めて~
第二話 数寄者の目 ~お宝の正体~
第三話 家族の形 ~継がれた陶片~
第四話 慈しまれた日々 ~父の卓袱台~
父母との縁薄く夫の病を抱え、二人の子供。頼った夫の実家での様々な経験が自分を見つめ直すきっかけになる。
お義父さんの考え方、気持ちがいいです。
Posted by ブクログ
お茶の先生が格好良いですね。
でもね、着物を一着買ったら一着処分するような生活してる人、いるかな…それ、とてつもない金銭感覚やで。結婚したら、かなり危険。
いくら憧れの若い先生が相手であろうとも、高校3年生で保護者を亡くした女子が急に結婚する?!先生も、いきなり求婚とかありえへん。
う〜ん…お料理教室してる奥さんにとてつもない多額のお金を貸す銀行もないと思うわ〜
というわけで、もう少し下調べとかなさってから小説書かはったらええのに…と思うんですが、偉そうにすみません。
それはさておき、序章でチン電に乗った主人公が綾ノ町で降りてさびれた商店街を歩くあたりは表現が上手いな~と思う。
『錆びた鉄柵やレール、踏切の向こう側に見える半ば朽ちた商店街の看板に、透子はタイムスリップしたかのような錯覚を覚える』あ〜、わかるかも…堺のなんかこう垢抜けない、人口はまあまあ多いけどオシャレでない、妙に道が広いエリア。
とりあえず、堺市の小説です。
Posted by ブクログ
天涯孤独になり教師と結婚したのちの三十二歳子持ち主婦な主人公透子がnexらしくなく思えて新鮮。鬱に陥った夫や小学生の実子姉弟よりも同居を始めた古道具商の義父の方が主軸。思い通りに行かない子育て、息子の問題児な友人、記憶の父との和解や襖の中の古い絵等。関西弁の括りの中でも下町的血肉感のある個性が面白い。
Posted by ブクログ
基本的な話の筋は、悪くないと思う。
が、どうにも登場人物が魅力に乏しくて...(^ ^;
主人公はいつまでもうじうじしてるし...と思うと
イキナリ大胆な行動に走ったり(^ ^;
「影の主役」っぽい古道具店の主は
すべてを達観しているようでありながら、
最後の最後にコロッと決断を変えてしまって...(^ ^;
一応は連作短編なのでしょうが、
各章がみな「尻切れトンボ」な印象で(^ ^;
結局あの貧乏母子はどうなったんだろうか(^ ^;
主人公の夫も、鬱になるタイミングが分からない(^ ^;
実際の鬱病なんてのはそんなもんかも知れませんが、
終盤になってくると何のきっかけもなく調子よくなり、
そのまま「普通の人」として終わりを迎える(^ ^;
これって「ここでまた寝込まれると話が進まない」
という作者の思惑が透けて見えるような...(^ ^;
「悪人」として描かれてた大家の息子も、
ラストはあまりに見事な手の平返し(^ ^;
寝込んでたはずの大家の親父も、
何の説明もなく病院抜け出して「普通にしてる」し(^ ^;
とにかくキャラがぶれぶれで、リアリティがない(^ ^;
古道具の描写などは悪くない、むしろ魅力的なのに、
ありふれた言い方をすると「人間が描けてない」(^ ^;
何だか、ものすごくもったいない作品(^ ^;