【感想・ネタバレ】最後の帝国海軍 軍令部総長の証言のレビュー

あらすじ

山本五十六戦死後に連合艦隊司令長官をつとめ、最後の軍令部総長として戦艦大和の水上特攻など断末魔の帝国海軍の各作戦を命令した海軍大将が語った貴重な記録。そこに描かれた海軍内部の生々しいやりとりから見えてくる「海軍の失敗の本質」とは何か。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

山本五十六と同じ連合艦隊司令長官ながら、後世までその名が残ることはなかったが、戦犯として起訴されながらも無罪判決を受けるなど、当時は有名だったのだろう。その生い立ちから終戦・戦犯となるまでの口述回想録。
人柄や連合艦隊司令長官になるまでの経歴についてはよく分かるのだが、長官就任後のマリアナ沖海戦、サイパン戦、台湾沖航空戦、レイテ沖海戦、沖縄戦など、個々の作戦指揮については、どうも隔靴痛痒の感じがする。誠実に話しをしているようには思うが、なぜそういう判断をしたのかということがよく分からない。特に、特攻戦をなぜ継続したのかについて、それより策がなかったという感じで、その是非について長官としてどう考えていたのかがよくわからない。たしかに、大和を使った水上特攻については、断腸の思いで決断したというようなことは語っているが、そこで苦闘し、あるいは戦死する将兵についてどのように思っていたのか。敗戦近くなり、将兵の死者も膨大になると、感覚が鈍磨するのだろうか。無辜の臣民が死んだり生業を失ったりすることを避けたいとする昭和天皇と対比するにつけ、それが上級軍人の性ということなのかと思った。

0
2018年09月24日

「歴史・時代」ランキング