あらすじ
胸に抱えた重い秘密が、彼を愛する私の心を苛んでいく……。
クリスタルはナニーとして働くため、砂漠の国エル・ザフィールを訪れた。不格好な眼鏡、だぼだぼな服、引っつめ髪で変装をして。ナニーの絶対条件は、なぜか“不美人であること”。現れた逞しい黒髪の雇い主、第2王子ファリークは聡明な彼女を気に入り、クリスタルも彼に心惹かれていった。ある日、遠乗りに出かけた二人は、激しい砂嵐で帰れなくなり、一夜を過ごしたテントの中で熱いキスを交わす。偽りの姿でいることは心苦しいけれど、高額な母の手術代を工面するには仕方ない。彼女はそう思っていた。ファリークが、どんな嘘も許さないと知るまでは。■様々な時代の選りすぐりのディザイアの話題作をお贈りする“ハーレクイン・ディザイア傑作選”。今作は、大人気のナニーがヒロインの物語をお楽しみください。堂々たる体躯のセクシーなシークはなぜ不美人のナニーを雇ったのでしょうか?
*本書は、シルエット・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・ディザイア版となります。 ご購入の際は十分ご注意ください。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
面白かったです。
まず、新鮮だなと感じたことがあります。
というのもー。
「デザイア」の傑作選にも拘わらず、ヒーローとヒロインが物語りのラストまで一線を越えない、つまりプラトニックな関係を維持して物語が終わるというところがとても珍しいというか、新鮮でした。
ハーレクインでは、恐らく極めて珍しいパターンではないかと思います。
こういうのも、とても良いですね。
後、内容とは関係ないですが、表紙がとてもキレイで、惹かれました。
以前、辛い結婚をしたシークが女性不信に陥り、我が子たちのナニーには「美しくない女性」であることを採用条件の一つにしている。
母の治療のために治療費が欲しいヒロインは自分が美女であることを隠し、ナニーの採用試験に応募して採用されました。
しかし、シークは「美女ではないはずの」彼女に次第に惹かれてゆきー。
過去の辛い恋で女性不信に陥るシークの話、というのは王道ではあります。しかし、最初に書いたようにハーレっぽくない展開がとても新鮮で、ありきたりという印象はありませんでした。
ただ、個人的に、ちょっとヒロインの受け容れがたい性格が、、、
「私は美人」、事実、そうなのでしょうが、あまりにも本人がはっきりとそれを自覚しすぎているのは、特に同性にとっては共感できない部分です。
私的には、「美人だけれども、自分の美しさを意識でないない女性」の方が好きですー笑
特にラストの数行、ヒロインの呟き
ーそして美女は王子様を手なずけ、末永く幸せに暮らしました、と。
は、いただけません。
「自分で言うんじゃないの」と、思わず突っ込みを入れたくなるエンディングでした。