あらすじ
赤ん坊が母にしがみつく行動は霊長類が生き残るためにとても大事な行動であり、能力である。進化の隣人を通して、いま、私たちの親子関係を考えよう。サル研究40年、日本霊長類学会会長による子育て、抱っこ論。
目次
序章 ヒトはどんな生きものですか?
第1章 握る手、つまむ指
第2章 顔の前にある両目
第3章 ヒトだけがひとりで出産しなくなった理由
第4章 抱っことおんぶ
第5章 サルにもある子育ての個性
第6章 父ザルの子育て
第7章 孫の世話をするサル
終章 「ほめる」ことはサルにはできない
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Posted by ブクログ
サルの生態学の研究者による、サルの子育てとヒトの子育ての比較論。
少し前に読んだ本と同様、サルとヒトとの比較により、進化に対する知見が深まるのは、面白いですね。
いわゆるサルには、種類によって、一夫一妻や一夫多妻、多夫一妻、多夫多妻など、いろんな雄雌の在り方があるのですが、それぞれに理由があり、面白いですね。
そういえば、この本を読むまでは、ヒトの赤ちゃんは、他の哺乳類の赤ちゃんい比べて、出生時の体重の母親の体重に対する割合が、極めて大きいと思っていたのですが、そうではないのですね。
少なくとも霊長類では、標準的、といえそうです。
ただ、ヒトの赤ちゃんは、産道に比して、頭がでかいので、出産が大変、ということなのですね。
そういったことも含め、いろいろ勉強になりました。
いい本です。
何より、一冊を通して、サルに対する愛情が感じられ、研究者による本ではありますが、読んでいて心温まる本でした。