【感想・ネタバレ】生きる職場 小さなエビ工場の人を縛らない働き方のレビュー

あらすじ

品質・作業効率が向上
離職率・人件費が減少

好きな日に働く、嫌いな仕事はやらない……
人に優しい働き方の先にあったのは
想像を超えたプラスの循環だった

「出退勤時間は自由」「嫌いな作業はやらなくてよい」など、非常識とも思える数々の取り組みが、いま大きな共感を呼んでいる。そして、その先にはあったのは思いもしなかった利益を生むプラスの循環だった。
2011年3月11日14時46分、東日本大震災。石巻のエビ工場と店舗は津波ですべて流された。追い打ちをかけるような福島第一原発事故。ジレンマのなか工場の大阪移転を決意する。債務総額1億4000万円からの再起。
人の生死を目の前にして考えたのは、「生きる」「死ぬ」「育てる」などシンプルなこと。そしてそれを支える「働く」ということ。自分も従業員も生きるための職場で苦しんではいないだろうか。
そんななかで考え出したのが「フリースケジュール」という自分の生活を大事にした働き方。好きな日に出勤でき、欠勤を会社へ連絡する必要もない。そもそも当日欠勤という概念すらない。
これは、「縛り」「疑い」「争う」ことに抗い始めた小さなエビ工場の新しい働き方への挑戦の記録である。

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Posted by ブクログ

無駄なルールをなくして
業務効率も上がったという話

著者はパートさんたちの意見をよく聞く経営者で素晴らしいと思った

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2024年10月23日

Posted by ブクログ

ネットのニュースで記事を読んで、なんて理想的な会社!と思った。「パプアニューギニア海産みたいな会社」でネット検索までしたり(笑)そこで、本が出ていることを知りさっそく読んでみた。

読んでよかった。
ただただ自由だねーいいねー、ではなく、そこに至るまでの様々な出来事、工場長の思いなどがいくつも重なって今の働き方があるんだとわかった。
食のことや環境のこと、子育てのことなど、まさか自由な働き方の話からそこまで話が広がるとは思ってなくて、嬉しい誤算だった。

子供が体調を崩して休みたいとき、会社への連絡がどれほど緊張するか…子供の体調を心配しながらも、その日やるはずだった仕事の引き継ぎなどのあれやこれや…頭の中はプチパニックでヘトヘトに…そんな日が続いて、子供が回復してきたら今度は自分が体調不良…なんてこともたくさんある(笑)
だからこういう会社が増えるといいなぁ。。
それには会社だけでなく、働く側もたくさん考え、自分の考えや気持ちをきちんと伝えていく必要があるんだと気付いた。

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2024年05月03日

Posted by ブクログ

好きな時に出勤し、好きな時に退勤するそのような職場を実践した会社。
パートだけに限っているが、面白い取り組み。

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2019年06月01日

Posted by ブクログ

あるNPO法人でおすすめされて読んだ本。
何かにつけて人を縛ることが当たり前になっている今の世の中に違和感を感じていたので、著者の意見にとても賛同しました。
個々に合わせるということは今の世の中に足りないことであり、また必要なことであると感じています。

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2018年03月08日

Posted by ブクログ

「縛り」「疑い」「争う」ことに抗うパプアニューギニア海産のあり方に、私はすごく共感した。経営者の立場ではない私がどんなことをできるのか、この本をヒントに模索していきたい。

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2017年09月21日

Posted by ブクログ

大阪にある水産品加工会社「パプアニューギニア海産」の工場長、武藤北斗氏の著書。個人の働きがいと会社の業績の関係については、自分も悩んだ事があったので大変興味深く読んだ。

この会社では、出勤日や出勤時間をパート社員自身が決めるフリースケジュール制度や、嫌な仕事はやってはいけない規則、そして無断欠勤を認める規則など、常識では考えられない就業規則を導入しているのだが、結果的に生産効率がアップしているらしい。

武藤氏は東北での震災を経て大阪へ移住するのだが、再出発を始めた矢先に前工場長に退職されてしまったのがきっかけとなり、従業員の働きやすさを一番に考えるようになった。単純にルールを無くしたわけではなく、武藤氏とパートの皆さんとの信頼関係の上に成り立っているのが非常に印象的だった。

おそらくこの会社が取り組んでいるのは、働き方改革の最先端の形なのだと思う。決して会社の規模が小さいから出来たという訳では無く、経営者としてのブレない信念が可能にしたのだ。働く人が幸せで会社の業績も上がれば、こんなに良いことは無いんじゃないかな。

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2017年08月26日

Posted by ブクログ

出勤日も出勤時間も自由、休む時は連絡してはいけない。東日本大震災で被災し、大阪で再建した小さなエビ加工工場の新しい働き方。
エビ加工という単純作業の現場だから成立するのか、もっと人数が増えたらどうなるのか、自分の職場だったら適用可能かなどいろいろ考えながら読んだ。
自由にする代わりに細かいルールをいろいろ設定していて、このへんのバランスが絶妙なので、なかなかこの働き方はマニュアル化できないと感じたが、一番重要なのは経営者側が従業員が居心地がよく最大限パフォーマンスを発揮できるのはどのような環境なのかを考えることだろう。

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2023年02月05日

Posted by ブクログ

フリースケジュールと言って、好きな時に会社で働いて好きな時に帰ること。休む時にはなにも報告しなくていい。好きな作業しかやっちゃいけない。
そんな自由な会社があるんだと、びっくりしました。この本をたくさんの人が読んで、新たに違う会社がやってみたいと思ってくれて、日本で縛るような働き方を無くすような改革になれると嬉しいですね。
固定概念を壊すような感じの本でした。
働くことに嫌になってる人におすすめしたいですね。未来の希望が少し持てます。

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2022年10月14日

Posted by ブクログ

飾らない表現で書かれた文体が読みやすく、主張も理解しやすかったです。組織を作る上で多くの参考になる考え方を教えていただきました。

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2020年06月06日

Posted by ブクログ

経営、リーダーと現場の信頼関係。思い込みや縛りからの脱却も興味深かったのですが、何より自身の使命ですよね。社会への使命、働く人に向けて、地域に向けて、顧客に向けての使命。それを燃やしながら、進化を続ける。手腕や方法としては、それぞれが研究していくべきでしょうけど。このユニークな会社の理念や使命は、普遍的な当たり前の追求をしていると感じたのでした。

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2020年04月12日

Posted by ブクログ

生きることと働くことについて、仕事という面だけでなく食べるものを選ぶということや原子力エネルギーに関する視点からも様々な問いかけをしてくれている本。

「人は管理しないとサボる」「嫌なことでも仕事であればやるべきだ」といった思い込みが、どこかでまだ自分の中にも隠れているような気がした。そして社会も、そういう思い込みのもとに色んなルールがまかり通っていて、そのひずみが表れてきている、それが今の働き方改革の現状とそれに対する違和感なんじゃないかなぁと思った。

本来、人は自ら成長したいと思うものだし、好きなことなら一生懸命やるし、誰かの役に立つことを喜びだと感じるはず。そういったプラスの面にしっかりフォーカスすれば、みんなが楽しく、そして楽に仕事ができる環境ってきっと作れるんじゃないかなと思う。

『人生で立ち向かうべきものはたくさんあるはずなのに、職場でエビに立ち向かう必要があるでしょうか』という問いかけには笑ってしまったけど、仕事は生きるための手段だけど、誰もが常に仕事にフルコミットできるわけではないし、人は一人ひとり違う、そんな中でみんなが生き生きと働ける職場をつくれる会社が、これからも世の中に必要とされるんだろうな。

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2018年09月17日

Posted by ブクログ

パプアニューギニアから持ってきたエビを加工する工場で、パート社員に「フリースケジュール」という好きな日・時間に来て働ける制度を導入した社長さんが、その導入の経緯や思い・工夫を纏めた本。

働き方改革的な流れで色々な変革が叫ばれていますが、結局そんな改革の先に求めるのは、本著のタイトルにもある「縛られない働き方」なのかもしれません。
テレワークは場所に縛られない働き方ですが、この工場の場合は勤務時間に縛られない働き方。工場の稼働時間は8時半~17時と決まっていますが、パート社員は好きな時間に来て働くことができ、欠勤時は勝手に休めてむしろ連絡しちゃいけない。ICTに頼らずとも、工夫で新しい働き方を実現してしまうのはとても眩しく感じます。
もちろん、パート社員だからできる(ノウハウの蓄積や承継は不要?)、扱っている商品が冷凍だからできるという指摘はありますし、著者も後者に対しては本著内で反論していますが(個人的にはあまり体を為していないように感じました…)とは言え、著者が取り組んでいることは賞賛されるべきファースト・ペンギンの取り組みなので、いち消費者としても応援していきたいと感じました。

加えて、フリースケジュールや、嫌いな作業はやらないというルールに取り組んでみたことで、離職率の低下や作業効率の向上が達成できたというのは凄い。
著者のポジティブな文体も相まって、固定観念に囚われていて、働く人の幸せや生産性の向上がまだまだできていない分野があるんじゃないか、と楽観的な気持ちにさせてくれる本でした。

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2017年10月30日

購入済み

この本は40歳の実質経営者が若い子育てパートさん達が居心地良く働ける職場づくりをしていく様子を綴ったものです。働く者の希望を全て叶えているとはいったいどういうことなのか、試行錯誤し綿密に話を聞き取って実行していきます。

辛い震災の被害。なぜ大阪で避難生活をし工場を再出発させたのか。取り扱っている天然エビに纏わる特別な事情など。著者の経営理念と様々な条件が重なって働く者が何のプレッシャーもない工場になっていきます。

平易な文章でとても読みやすく親しみやすいです。普通の働き方しかイメージできない人には、この全く反対の取り組みは頭の中の枠をはずしてくれます。

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2017年09月04日

Posted by ブクログ

思ってたのと違ったけど、ホントにこんな会社があるんだと感動した。社員じゃなくて、パートさんのシフトがないのね。
でも社員さんが自由に働ける会社があってもいいし、素敵な会社だと思った。
やっぱり人!
あえての悪役はいらないと思った。

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2025年10月19日

Posted by ブクログ

昔に比べてシフト制度で働いている方って本当に増えましたよね。私もその一人なのですが、どうにも「月~金、9時~18時、休日:土日祝」という働き方をしている人と自分を比べて、引け目を感じてしまうことがよくあります。シフトで働いていると「時間がかぶらないからあんま話さない人がいる」「時間帯で作業内容が違うから挨拶以外話すことがない」といった話はよく聞きますが、お互いの人となりが分かりにくいぶん文句も言いやすいというか、お互いに不満の矛先が向いてしまいがちで、そのせいで雰囲気が良くないというイメージがついてしまうのかもしれません。

この本はそんなシフト制度のもとに生きる方や、シフトの管理をすることがある方にぜひ読んでほしいと思いました。
これは3.11で被災した工場の社長が書いた、事業立ち上げ直しの奮闘記かつ「ひとが生きる」とはどういうことなのかという視点から、シフト制度の在り方を見つめなおした記録です。
この工場、以前は一般的なシフト制度を導入していたのですが、立ち上げ直しを機に「フリースケジュール」という制度を始めました。これは、何時に来て何時に帰ってもいい、週に5日働こうが0日だろうがなんでもいい!といういままでのシフト制度からすると店長の4,5人はぶっ倒れそうなとんでもない制度なのです。
もちろんこの制度が完成するまでには紆余曲折ありますが、結果としてうまくいきテレビにまで紹介されるほど話題になりました。

管理者ではなくひとりの人間として、同じ場所で働く=「生きる」人として、社長の目はあくまでも厳しく、真摯です。
「人間は自分の居場所を求めるために、争う生き物であるということを認識し、それを前提に秩序を作っていく必要がある」とし、こと細かいルールを決めていきます。
ただ、「良いルールでも、経営者が一人で作ったものを次から次へと押し付けられるのは、現場にとって気持ちのよいものではありません。どんなルールでも、効率が悪いと判断したときでさえも、その場で勝手に変えてはいけないと決めています。」と、問題がでてきたときそれを問題点として全員で共有して変えていきます。

わたしも最初は「小さい工場で人数もすくないからできることじゃん」とか「接客業でお客様を相手にするような仕事だったら成立しないじゃん」とかツッコミながら卑屈に読み進めおりました。でも途中から、この社長が言いたいのは自分の功績ではなく、同じくシフトで働く人たちに向けて常識に囚われずに自分たちの働き方に向き合ってほしいと言っているんだと気付いたのです。そのことに気づいたら、フリースケジュールと全く同じじゃなくても大人数でも通用するような制度を考えたらいいんじゃないか、接客業のお店でもみんなが少しずつ楽できるような制度を作ったらいいんじゃないか、と思うことができました。
功績だけを言いたいのではないという証拠に、この本にはフリースケジュールを導入する前にやっていて悪かったルールや、やってもあまり意味がなかったルール、そしたてフリースケジュール導入後にもでてきた細かな不満や改善点も書いてあります。

この本を読んだからといって働き方が楽になるわけじゃないけれど、こんな考えがあってもいいといろんな人に知ってもらいたいです。古いルールをみんなが少しずつ不満に思っているのなら、楽してもいい制度をみんなで新しく作っていけばいいのです。迷えるバイトリーダーたちに届いてほしい。

でもタイミーとかシェアフルって、この働き方にかなり近いんじゃないだろうか。
いろいろ問題点は言われてるだろうけどいい面だってあるはずで、働き方の正しい在り方なんてこの世に存在しないのだから、どんどん試していくは良いことだ思います。

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2024年12月03日

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