あらすじ
統合AIが完成する前時代である現代を著者は「機械脳の時代」と位置付け、10数社のケースを取り上げながら、人々の仕事はどのように変わるか、そして個人は何を学びキャリアを形成していけばよいかを解説します。同時に、機械学習システムを作るためのメソッドを「A B C D Eフレームワーク」としてまとめます。
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Posted by ブクログ
AIを技術面というよりも活用面でとらえているのでどうビジネスに当てはめるかという点でとても参考になりました。前半はいくつかの会社の実例を挙げたうえでこのような活用がされている点を踏まえ、後半は技術の概要から実際のビジネスにどうはめ込むが述べられています。
技術面よりも運用面・経営面的な観点になっているので、ビジネス書として読みやすいし、理解しやすいと感じました
Posted by ブクログ
いわゆる人工知能のビジネスでの活用について、極めて丁寧かつ実務上の示唆が非常に良くまとめられた解説書。この手の類書は様々あるが、個人的にはトップレベルに分かりやすく、かつ学びが多い。
人工知能が得意な「可視化・分類・予測」という効用とそれぞれのビジネス上の事例の解説に始まる本書では、人工知能を本当にビジネスで活用するためのプロジェクトマネジメント上のフレームワークやその留意点が丁寧に解説されている。
例えば、用いるモデルを選択するというプロセスでは、モデルを選択するためには4つの判断基準が示される。
・Accuracy:モデルの精度
・Interpretation:解釈の容易性
・Coding/Construction:プログラミング作業・実装
・Speed:解析結果が出るまでの速度
問題はこの4つはAccuracyとその他3つでトレードオフになりやすいことであり、本書ではそのトレードオフが実際のプロジェクトでどのように発生し、どう解消するのかを2つの短いケーススタディを通じて仮想的に理解することができる。
また実務上、非常に重要な作業だが軽視されがちなデータの選択やクレンジングといったプロセスについても、丁寧かつ具体的な解説がなされているなど、有用性が高い。
Posted by ブクログ
データサイエンスにつき極めてビジネス目線寄りのプロマネ目線で、技術的な説明のみならず、組織作りや人材育成にまで踏み込んで記述している点がユニーク。特に良かったのがデータサイエンスのプロジェクトを失敗させないための見える化・共有の方法を詳述していた点。ビジネスマンのデータサイエンス入門書として最適だと考える。
Posted by ブクログ
機械学習、ディープラーニング・・・
とデータ分析関係の話題に事欠かない昨今。
上記のような技術に触れる機会は今後増える一方で、
かつ生産性を上げるという視点を考えると、
データ分析は避けて通れない領域である。
そんなデータ分析領域に取り組んでいくために、
どういったスキルが必要なのか、どんな人が必要なのか、
そしてどんな進め方で取り組んでいけばよいのか、
といった疑問を解決し、愚直に取り組むためにも、
まずは本書を読んで全体像を掴むと良いと思う。
【勉強になったこと】
・機械脳の時代に重宝されるのはデータサイエンティスト
だけでなく、データサイエンスとビジネスの架け橋と
なれる人のほうがずっと重宝される。
・レコメンドのときは、類似した映画をオススメする
のではなく、まだ見ぬものをオススメすることが大事。
知っているものをオススメされても喜ばないし、
価値は無い。映画のレビューからキーワードを
抽出し、似通ったキーワードの付いた映画を
進める等の工夫によって初めてレコメンドの価値が
生まれる。
・機械脳を作るときに大事なフレームワーク
ABCDEフレームワーク:
・Aim(目的)
何を実現すればよいか?
目的を立てるときにはSMARTに立てること。
手段、対象、数値基準、期日、制約条件
制約条件については、感度と特異度に注目する。
・Brain(機械脳の種類)
どんなアルゴリズムを使うのか?
「可視化」「分類・予測」のどちらであり、
どれくらいの精度が求められるのかを明確にする。
また、モデルの選定基準を可視化して、
データサイエンティストに説明を求めること。
モデルの選定基準は、
A:Accuracy(精度)
I:Interpretation(解釈容易性)
C:Coding/Construction(プログラミング作業・実装)
S:Speed(速度)
で判断するが、基本的に精度を取ると、
それ以外の3つは落ちるのが一般的。
・Coding/Construction(プログラミング作業・実装)
プログラムやサーバの構成
pythonやRが一般的によく使われているが、
既存システムがJavaならJavaでコーディングする
といった考え方が必要。
・Data(データ)
作り出したいデータとその基となるデータを
何にするかを明確にする。
基となるデータを選定するときの根拠は、
R:Relevancy(関連性)
V:Volume(データ量)
G:Granularity(粒度)
C:Cost Effectiveness(費用対効果)
で判断する。
・Execution(実行)
実行に移す際の組織、オペレーションを明確にする。
・欠損がランダムであれば、分析結果に影響を
及ぼさないことが研究結果から明らかになっている。
・データサイエンスはチームで取り組むものであり、
役割としては以下の3つがある。
データGM:
・プロジェクト全体を取りしきる
・ビジネスとデータサイエンスのコミュニケハブ
データサイエンティスト:
・統計学や機械学習についての考え方、
ツール適用における理論的側面をリード
データエンジニア:
・プログラミング作業や実装
・インフラ構成の決定
どれかだけ知っているでは上手くいかないため、
どれかに強く他はそれなりに理解しているといった
スキルセットとなることが望ましい。
そのためにも、自分がどの役割を目指すか、
向いているかを明確にして、それに向かって
勉強や実践による経験値を積んでいくこと。
Posted by ブクログ
「はじめに」にもあるように、実際にビジネスの現場で使える情報方向に寄った本。スタープレイヤーが活躍する時代から、チームで協働していく時代になりつつあるれど、機械脳の出現によって、それが更に加速する。データさえあればあとは機械脳がなんとかしてくれるのではなく、何をやりたいのかを決めたあと実現するのに適したデータを取るという方向が正しい方向。そのためには、使うデータと使わないデータの選別(つまりデータを捨てること)が必要になる。