【感想・ネタバレ】おいしいものには理由があるのレビュー

あらすじ

和食が世界遺産に制定され、日本料理はここ十年余りの世界的な流行になった。外国の料理人の多くも関心を持って、誰もがそれを理解しようとしている。しかし、当の日本人の多くは日本料理を意識することすらなくなってきているのではないか。そこで、日本の食を支えている食材の生産者や職人を、作家であり料理人である著者が訪れて、私たち日本人が実は知らない日本の“食”を紹介する。自らの仕事に誇りと情熱を持ち、それに打ち込む姿は我々日本人が誇るべきものであり、それが我々の食文化を守っていることがよくわかる。作家ならではの筆致と、料理人ならではの視点をもつ著者ならではの文章には他を寄せ付けない力強さがある。ダイヤモンドオンラインの連載『ニッポン 食の遺餐探訪』に加筆・再構成。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

料理の技術は素材を超えない。

魚住農園の卵 茨城
 有機栽培のキャベツ 青虫のついた外葉はニワトリのエサ
 平飼い 自家製腐葉土の土間
 卵のおいしさは餌で決まる 一般にはトウモロコシ原料の飼料
 国産の酒糠、小麦、鮭の魚粉、牡蠣殻、大豆と塩、醬油の搾りかす、乳清、野菜 
 雄鶏がいると落ち着く

下仁田納豆 下仁田町
 鮮度ある国産大豆、最低限の在庫
 榛名山の経木(木の成分、抗菌、湿度、香り、無公害)
 コンピュータ制御の圧力釜、クリーンな環境
  本庄のもぎ豆腐店が師匠「只管豆腐」500円
  伝統をつくっていくためには常に革新

有田屋の醤油 安中市
 醤油=仕込み2年
 国産丸大豆(色と味)、小麦(香り)、塩(防腐)
 大豆自給率7%
  アミノ酸醤(豆腐以外のタンパク質が主原料)
  脱脂加工大豆醤油(大豆油を絞った後に発酵)
  丸大豆醬油
  再仕込み醤油 円錐ではなく醤油で仕込む 3年

ヤマロク醤油 小豆島
 蔵と木桶の菌が作る全窒素量で測れない旨味
  鶴醤:再仕込み醤油 4年以上
  菊醤:黒大豆濃口
 桶 100年以上の寿命 桶業者廃業で内製化 車一台分
 
鳥居食品のウスターソース 浜松
 イギリス リーペリン ウスターソース アンチョビやタマリンドが入ったソース
 生の野菜 中脳ソースの4割
 種子島産粗糖、地元の酒粕から作った酢 2割 ホールスパイス、昆布と鰹節だし
 木桶で最低1か月熟成
  「オムライスをおいしくするソース」がヒット
  「昔ながらのウスターソース」

松田のマヨネーズ 神川町
 化学調味料の入ってないマヨネーズ
 (マヨネーズとはJASで規定さている食品)
 ①手で割った卵に塩「海の精」
  からし菜マスタード、国産ニンニク
  ホワイトペッパー
  ウラジオストク周辺産 菩提樹ハチミツ 
 ②米澤製油の圧搾絞りなたね油(熱で劣化してない)
 ③純リンゴ酢
 少しずつ混ぜ合わせていく連続式

カネサ鰹節商店の潮鰹 1882年創業 西伊豆
 なまり節:おろして湯で2時間煮たもの 
 荒節:燻して冷まし手を繰り返し乾燥(焙乾) 削り節の流通量の8割
 裸節:荒節の表面を削ったもの
 枯節:荒節に二回以上カビをつけたもの 上品な風味 江戸時代から
 本枯節:創業一六九九年「にんべん」では四回以上カビ付けを行ったもの

 潮鰹 一匹丸ごと塩漬け、風干し、藁飾り
 伊豆田子節 手火山式乾燥 地元の薪の直火の高温で焙乾 六、七回カビ付け 
 土佐からの海運が陸送になり廃れて取り残された

奥井海生堂の昆布 福井
 北海道近辺にしかない 二年で一生
 羅臼:濃厚 利尻:出汁 そのまま:日高
 「蔵囲昆布」敦賀伝統 藁のむしろで覆い温湿度自動調整 10年以上熟成 
  ぬめり分解、香り高い甘み
  
奥松島水産の牡蠣 宮城
 海産物 栄養の少ない環境でゆっくり育つと深い味
 内湾で育てて、潮通りのキツイところで鍛え、
 出荷前に内湾に戻し太らせる、人の技術による味
 春がいちばん身が張る
 震災で生産者が減り、質が向上

アイザワ水産の海苔 宮城
 板海苔 江戸時代に紙の製法で作られた
 コンビニおにぎりで業務用は価格競争へ
  割れないように厚い

 種付けは顕微鏡作業 その年に最適な品種を選ぶ
 育苗中、一定期間海の上で乾燥(干出)汚れ落とし
 収穫は冬

遠忠食品の佃煮 東京
 江戸前 1960年代から減ったのは貝類と藻類
 丸大豆醤油、麦芽水飴、調味料で2時間直火炊き 
 大量生産のものより海苔が多い

黒岩牧場の鶏肉 宮崎
 アメリカから大量飼育が導入されやすくなった 世界一の輸入量 中食外食用
 味=品種、餌、環境、飼育期間
 放し飼い 襲われるのは病気で死ぬよりずっと少ない 草を食べて体調整える
 飼育日数120日以上 長いほど旨味はますが硬さとトレードオフ 
 地鶏の規格80日以上 ブロイラー50日 餌のコスト

なかはら牧場の奇跡の牛乳 岩手
 山地酪農 乳脂肪分減る 青草の夏は低く、枯草の冬は多く 低温殺菌 
 牛舎で輸入に頼る飼料 3.5%の乳脂肪分を基準 おいささとは別の基準
 1188円/720ml 牛乳は贅沢品
 低生産性のまま放置の産地を高度の生産地に 搾乳したら飼料を食べ山に帰る

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2022年12月25日

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