【感想・ネタバレ】無意識と対話する方法 - あなたと世界の難問を解決に導く「ダイアローグ」のすごい力 -のレビュー

あらすじ

グーグルほか世界の一流企業や教育機関が注目する新しい時代のコミュニケーション方法「ダイアローグ(対話)」について、話題のロングセラー『無意識の整え方』著者の前野隆司教授と在米の社会システム研究者・保井俊之教授がやさしく解き明かす一冊。
「ダイアローグ」とは単に他人と意見交換をする「議論」や「会話」とは異なり、自分の無意識に眠る知恵から気づきを得るという古くて新しい手法です。
地球環境問題など複雑性が高く、予測の難しい現代の難問に対しては従来の二元論的な考え方ではなく、「ダイアローグ」的な考え方こそ有効なソリューションをもたらすといわれています。ひらめきやイノベーション、そして協調をもたらす「ダイアローグ」が個人を、世界を、日本を、地方を、幸せな変革へと導きはじめている事例も満載です。


【著者情報】
前野隆司(まえのたかし)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント科教授。1962年生まれ。
著書に 『無意識の整え方―身体も心も運命もなぜかうまく動きだす30の習慣』(ワニ・プラス)、『脳はなぜ「心」を作ったのか―「私」の謎を解く受動意識仮説』(筑摩書房)などがある。

保井俊之(やすいとしゆき)
慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科特別招聘教授。1962年生まれ。
主な著書に『「日本」の売り方: 協創力が市場を制す』(角川oneテーマ21)など。
(本書は無報酬での執筆で、意見にわたる部分は私見です。)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

関連した情報が多すぎてふせんだらけになり、全然読み進められなかった本。この本はこれから動き出せるような情報や知識がちりばめられているので、そこに自分からアクセスできるかどうかでこの本の価値が決まると思う。
そしてこの本を読んでいると単なる知識本ではなくて、読みながら内省することができる。

パワーワード
対話とは、単なる意見交換ではなく、自分の中をリフレクティブに掘り起こしていく能力。

ダイアローグとは、誰かと言葉のやり取りをしながら、あなたの無意識に眠っている知恵にアクセスして、直感的な気づきを得る方法。

対話とは、単に相手と話をするものではなく、自分の外の人との対話、自分の中の小人との対話、そして、世界、社会、環境との対話の3つを含むもの。
そんな総合的なやり取り。

古いものは意識の湖底に沈んでいくけど、記憶のそこに「感じ」として生き残っている。

アイザックスのダイアローグとは、ふたつのコンセプトがある。
1・自分の主義を主張したり、議論に勝つのではなく、自分の心の内面で、気づきをもたらすような対話。リフレクティブダイアローグ
2・フローの状態に入るためにダイアローグを利用するもので、それがジェネれーティブダイアローグ

討論とは、予め用意された問題解決のための選択肢を取捨選択するための意思決定を行うための話し合い。
対話とは、選択肢そのものの幅や深さ、性質を広げていくべく行われる話し合い。

リフレクティブダイアローグとは、自分がよって立つ大義、ルールや思考の前提といった合理的判断の根拠に基づく議論を離れる。対話するのは自分と自分自身の心の深い無意識の部分。これまで抱えていた問題や疑問の組み立て方自体をより大きな支店で組み直す再組み立てのための対話。

ジェネレーティブダイアローグでは、対話への参加者が各自の見解や立場を完全に離れ、個人としての思考の枠を取り外す。会話の流れの中に見を浸すことから、なにか新たなものが対話の集団そのもののアウトカムとして作り出される。
フローに包まれた集団は、新しい段階に達し、それまで行ってきた対話に関する新たな理解や意味付けが生まれ、共有される。

ジェネレーティブダイアローグは、ジャズの即興演奏。
自分の無意識との対話、自分以外の他人との対話、取り巻く環境との対話。

オットーシャーマーも対話とは、他人との対話、自分との対話、自分と相手を含んだその場全体との対話。

解き方がわからないのではなく、そもそも何が問題化がわからなくて、それを一生懸命考える方法の一つとしてダイアローグがある。

まだ意識高い系の人たちに限られている。

日本でのダイアローグの導入は、日本にとって、平らかな対話性の復興運動。


きちんと対話をしたほうが問題解決は早くなる。
相互理解がないと、もし真意や糸が伝わらず、ストレスが生じても、気づくのが難しい。これがこじれると、解消するのに膨大なコストがかかる。

日本はもともとダイアローグ的な国だった。

心の平穏を保つセロトニンという神経伝達物質がある。セロトニンの伝わり方を決めるセロトニントランスポーター遺伝子の方によって、幸せを感じやすいか、不安を感じやすいかが決まるらしい。
日本人は、セロトニン伝達を阻害する遺伝子型、つまり不安になりやすい遺伝子を持つ人が世界で最も多い。
逆に、幸せな方の遺伝子を持つ人が最も多いのはデンマーク。

ビジョンクエスト。ネイティブアメリカンのライフスタイルに戻ろうという運動に合わせて。

無意識と対話し、自分が本当に思っている本音。それは外に出しても大丈夫なんだよという場作りができれば、もっと深いところまで行ける。

個装の論理は、現在我々が使っている論理の範囲内では成り立ちません。たとえば、コインの表と裏があって初めてコインが成り立つと統合してしまうような考え方。

AI(アプリシエーションインクアイアリィ)もフォーマットが強調されている。対話とないわゆるホールシステムアプローチの一つと捉えることができる。

達人は育成するものではない。誰もがもともと達人。対話を通じて、その人がどんな達人なのかを見つけ出していく活動。

小布施イノベーションキャンプ、小布施イノベーションスクール。対話によってイノベーションへの加速を目指すもの。

日本では発言者を優先することのできる人が多いから、ダイアローグで聞くを強調しなくていいかもしれない。

表層と古層を行き来できるバランスが大事。

普段の生活の中で、自分が自然にそういうふるまいができるものを何個ポケットに入れているのか。ダイアローグは、幸せなポケットの作り方。


幸福学での因子、第一因子自己実現と成長、第2因子つながりと感謝、第3因子は前向きと楽観、第4因子は独立と自分らしさ

幸福学の研究で、企業内の幸福度を高めるコンサルティングや研修をやる中で、そこでわかったのは、ちゃんと対話することに尽きる。

意識のレベルでロジカルにイノベーションの方法論を学ぶことと、無意識のレベルで自分が作り出したいことに向き合い、心持ちを前向きに感じていくこと。今を変えたいと声に出していくこと。そして声をとりあえず出してみることを恐れないこと。更に繋がり上手になること。地域や方々とのオープンかつフラットで温かい関係の構築に長けていること。地域や友人とつながっているから、自分自身の幸福度もとても高いということ。地域で素晴らしいイノベーション活動を実践している人たちは、こういう特徴をもっている。

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2021年01月01日

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